釣りでは釣る場所のことを「ポイント」と言いまして、このポイント選びが釣果(魚が何匹、どのくらいのサイズが釣れたかという釣りの結果)を左右します。釣りでは仕掛け・ポイント・タイミングの3点が重要で、その中でもポイントはひときわ重要です。ですが、これが結構落とし穴で、僕は「人が行かないところへ行って大物釣ってやる!」と意気込みすぎてしまった結果、全く釣れませんでした。素人が最初から他の人がしないことをしようとするものではないですね…。釣り歴が長くても坊主の日があるくらいなので、それくらいこの3点はマスターするのは難しいのです。じゃあ素人は釣れないの?ってことになりますが、簡単に高確率で釣る方法があります。それは、「先人に習え」です。
初めてだと、何が正しくて何が間違っているか判断できませんが、少なくとも周りの釣り人は自分より釣り歴が長いはずです。また、その土地の地元の方は釣りにおいて一番見習うべき存在。その土地の海中の地形やクセなど感覚的に捉えているので、その土地ならではの一番釣れる魚種やポイント、釣法をよく知っています。そこを見習わないわけにはいきません!「人見知りだから聞くのも億劫…」なんてことも気にすることありません。見て盗めばいいんです。使ってる餌や仕掛けは気にかけずとも目に入ってきます。もう少し知識があれば、タナ(魚がいる層、つまり水深のこと)をどのくらいにすればいいのかも参考にできます。ある程度釣り歴が長い経験者でも、初めて釣る土地なら間違いなく地元の人の釣法を参考にします。
「釣り人がたくさんいるところ」ってググっても的確な情報は出てきません。ここは釣り場を検討するときに使うアプリ「アングラーズ」を使います。自分の住んでいるところから近い海を適当に検索し、そこにたくさん過去の釣果が掲載されているところを探します。ワンポイントアドバイスとしては、直近2週間以内で更新が多ければそこは熱いです!季節が変われば釣れる魚の種類も変わり、釣れ行きも大きく変わります。たくさんアップされていても、2週間以内の更新が少なければあまり望みがないので他を当たりましょう。
釣り人として、危ないところへは絶対に行かないことが大事ですが、たくさんの人がいるということは、ある程度安全な場所であると判断できます。「たくさん釣り人がいる」からといって絶対安全とは言い切れませんが、人目があることで万が一のトラブル時も助かる確率が上がります。とはいっても、たくさん人がいても立入禁止区域には行かないでくださいね。
自分は大丈夫!って思いがちですが、釣れ始めて慣れてくると「釣りたい」という気持ちが自分の中のストッパーを緩めてしまいます。トラブルがあっては本末転倒。自分の身の安全は、自分で守れるよう、自己管理してくださいね。
例えばカレイは浜辺、サバは堤防といったように、釣れる魚もポイントによって全く違います。他にも磯や岩場など、魚も自分の生態に合わせて住む場所を変えています。後述するサビキ釣りはこの中でも堤防が定番で、ちょこんと落とすだけです。釣るタイミングさえバッチリであれば仕掛けを入れるだけで針に食いついてくるでしょう。
海には満潮と干潮があります。満潮時は海傘高く、干潮時が浅い時です。広島県宮島・厳島神社の大鳥居が一番分かりやすいかと思いますが、鳥居が海の中にあるときが満ちている時、海が浅くなって鳥居まで歩けてしまう時が潮が引いている時です。釣りでは基本的に、この満ち引きの差が激しい時ほどよく釣れると言われています。
大潮は、海の満ち引きの差が激しい日と覚えてください。理由は覚えなくていいのですが、簡単に言うと満ち引きが激しいということは、潮の動きが激しくなります。満潮と干潮の差が1mなのと10cmなのとでは、満ち引きのスピードが違いますよね。潮の動きが激しいということはプランクトンが動き、合わせて魚もプランクトンを食べるために活発になるということです。
大潮を始め、中潮、長潮、若潮、小潮といった潮の流れを表す周期は普通はあまり意識しないで生活しているかと思います。でも、それを知ることができるアプリがあるので、釣りがしたいな〜って思ったタイミングでこのアプリを使って調べるといいでしょう。
釣りに出かけるお父さんがなぜあんなに朝早く出ていくのかという理由はここに隠されていました。よく釣れるんです!夕方日没前もよく釣れますが、一番釣れるのは朝という印象が強いです。ただし、釣れる魚によっては夜行性で夜しか釣れない魚もいれば、一日中ずっと釣れやすい魚もいます。
とはいっても、初心者のうちからそんな張り切って朝早く出たくないですよね。次に紹介する「釣り方」も関係してきますが、簡単に気軽に釣りに行くことを考えると、一日中釣れる魚をチョイスするほうが楽しいです。そこも合わせて次の釣り方でご紹介します。
釣り初心者にとって、一番やっかいなのは仕掛けです。仕掛けとは、針やオモリなど言わばワナのこと。魚にいかに本物の獲物と思わせ、針に食いついてもらうか騙す仕組みを仕掛けと言います。最初、釣り具屋に行った時に仕掛けがたくさんありすぎて何を買ったらいいのか分からないというのが初心者にとっての最初の難関だと思います。ここは僕を信じて、サビキ釣りをしてください!サビキ釣りは前述した釣れる時間帯においても比較的一日中釣れる魚である、アジ・イワシ・サバが釣れる釣法です。釣り方もただ海に入れるだけで、簡単です。
釣具屋で「この時期に釣れやすいサイズのサビキをください」と店員さんに伝えると、その時期に釣れる魚のサイズにあったサビキを選んでくれます。針は大きすぎると魚の口に入りませんし、小さすぎると口に針が引っかかってくれないので、初心者であることを伝えて大きさは店員さんの判断に委ねましょう。
サビキは5〜6つほどの針と糸のセットですが、これに加え餌を入れるカゴが必要です。これら1つずつでワンセットとなります。1人3セットあれば十分でしょう。
釣りには欠かせない竿とリールがセットになった初心者セットが1,500〜2,000円くらいで買えます。丈夫さでいうと脆いかもしれませんが、3回使っても壊れないくらいの強度はあるので、最初はこれで十分です。
サビキ釣りの餌にはコマセという小さなエビを凍らせた四角いブロック状のものを用います。コマセくださいと店員さんに伝えましょう。サイズは釣りをする時間にもよりますが、お店においてある中サイズのものが無難でしょう。
アジ・イワシ・サバならバケツに海水を汲んで入れておけるサイズなので、バケツで十分でしょう。もっと鮮度を保ちたいならばバケツではなくビクという選択肢もアリなので、後述の「釣った後のこと」を参考にしてください。
あとは手を拭くタオル、針を切るハサミ、お弁当などご自身の用途に合わせて買われて行くといいでしょう。海の近くはコンビニが遠くて不便なので、できるだけコンビニがあるうちに買っておきましょう。
基本的に仕掛けの作り方はサビキのパッケージの裏に書いてあり、これが一番分かりやすいでしょう。簡単に説明すると、リールから伸びている糸先にサビキ、そして先端にカゴといった感じです。
前提として、東京から釣りポイントまでの移動手段は前述の電車 + 車(バス)ですが、この場合、クーラーボックスを持って行くとなると重くて大変になります。行きはまだ空なのでいいですが、帰りは魚に加え氷が入っています。大物が釣れた日にはとてつもない重さになりそう…(大物の重さが逆に喜びになっているかもしれませんんが!)。
僕は少しでも軽量で動きたいので、クーラーボックスは持って行きません。その代わりに持って行くのが、30Lほどのゴミ袋です。水が漏れてしまったり破れてしまわないくらいの強度があるゴミ袋にしてください。
もし坊主だった場合はただの袋なので軽い。もし釣れたとしたら帰りのコンビニで氷を買い、魚を入れて鮮度を保ちます。少々重くなりますが、袋なので形が変形しやすいですし持って行くバッグに入れやすいはずです。
魚は鮮度が命。釣った瞬間は氷も持ってないですし、釣りのポイントはだいたいコンビニが近くにありません。となると、鮮度を保つコツは、魚が死なないようにすることです。つまり、帰るその瞬間まで海の中で泳がしておくこと。ここで使えるツールが、ビクもしくはストリンガーです。
ビクとは、釣った魚を入れておくこと網状やカゴでできた入れ物のことです。その中に魚を入れ、海の中に入れておくことで魚の鮮度を保ちます。持ち運びを便利にするために、網の大きさにも限界があるので、大物には向きません。小さな魚を入れるにはこれがたくさん入って便利です。
ストリンガーとは、糸の先端にフックがついたものです。そのフックを魚の唇下に刺しておくことで魚が逃げないようにし、海へ泳がせておくことで魚の鮮度を保ちます。ビクのように魚の大きさに左右されない上に、糸とフックだけの持ち運びなので、大物が釣れた時の対策として持っておくことに越したことはありません。
釣りに行くときはこのビクとストリンガーを両方持って行くようにします。
釣りを終えるまではビクまたはストリンガーで生かしたままでOKですが、これから電車に乗って家まで帰るぞ!って場合に、何もせずに袋に入れるのは完全NGです。釣った魚を美味しくいただくために、現地で必ず締めましょう。
なぜ、活け締めすると魚の鮮度の持ちが良いのでしょうか。暴れて悶絶死する魚は体内に疲労物質(乳酸)が溜まり、急激に温度が上昇しますが、活け締めにした魚はその現象がないので鮮度が長時間持続します。
出典:活け締めすると魚の持ちがよくなるのは何故?-さかなだマート
絞めるのと絞めてないのとでは味が全く違うので、一度比較してみることをオススメします。
以上、大きく分けて7点ですが、一番最初から全てを網羅していたわけではありません。最初は細かい道具は持って行かず、釣れた後の魚を入れる袋さえ用意してなくて困ったりしていました。でも、釣ったら釣ったで「これをもっと新鮮なまま家に持って帰る方法はないんだろうか」と考え、クーラーを買ったりスーパーの袋で代用したりと工夫しながら、今の結論に至りました。
必ずこの方法がベストというわけではなく、お住まいの環境や好みによってやり方を変え、自分に合うスタイルを見つけることが一番大事だと思います。趣味になるまでは大変です。「楽しい」は「楽」ではない、というくらい、楽しくするためには一定以上の努力が必要です。その努力を少しでも後押しできると嬉しいです。
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