僕の場合は足元でヒットしたので、かなり詳細にヒットするタナを把握できていました。ただ、なかなかヒットに至らなかったのは、誘い方が難しかったためです。一度ボトムまで落としたジグヘッドを、中層あたりまで3回ほどしゃくり上げてまた落とす。ただし、ここでボトムに着底してすぐにしゃくってはだめです。着底して5〜10秒は待つこと。実際、僕がアカハタのヒットを得たのはこの待っている時でした。
最初のアタリを感じてからヒットするまでに15分ほど時間を要してしまったのは、飲み込むように誘う方法がうまくできていなかったからだと思います。ジギングをしていると、よく「リフト&フォールのフォール時にガツンとヒットする」と言われているので、僕もそのバイブルに従ったのですが、あるのはツンツンと突く前アタリだけ。なんで飲み込んでくれないんだろう…とあれこれ試した結果、アカハタを釣るためにはジグヘッドが着底してから数秒以上待つことが大事だと学びました。
実は、あまりにも意外なことでしたが、横に置いておいたムロアジ用仕掛けにもアカハタが掛かりました。しかも、ムロアジ用仕掛けには34cmが掛かりました!実はムロアジ用仕掛けを持って行っていたのは、アカハタを釣るためではなく、釣ったムロアジを使って青物を狙うアジの泳がせ釣りをしようとしていたからでした。伊豆七島ならではのウキ3号・上カゴ・ハリス10号の仕掛けを東京から持参し、餌は伊豆大島・式根島の現地スーパーで秋刀魚の切り身をGETし、針先にかけ、ぶっ込み釣り。アカハタはこの秋刀魚の切り身にも掛かってくれたというわけです。
ただし、個人的にはアカハタを餌釣りで狙うのはおすすめしません。当然、秋刀魚の切り身なら汎用的にいろんな魚が釣れるので、「ジグやルアーはせず餌釣りメインです!」という方なら問題ありません。ジグやルアーをメインに釣りをされる方が、餌釣りまで対応し始めると、行った先でかなり苦労すると思ってください。理由は、荷物重量です。
船に乗ってレンタカーに荷物を移し変えるだけなんだから、荷物が大きくなってもいいでしょ!と思ったら大間違い。民宿の2階、3階に荷物を上げ下げしたり、釣り場が磯だったりするならなおさら。島を移動する手段が車でも、意外と荷物は自分の手で運ぶ機会が多くなります。このときに、何十キロもある荷物を持ち運びしてたら疲労困憊することは避けられません。
実際、今回の合宿では青物向けに用意したメタルジグだけでも相当な重さになるため、極限まで荷物を絞り込みました。それでも4日間の合宿から帰って来たときにはこの荷物の重さが原因でかなり疲弊していました。もう歩くのもしんどいくらいです。一応、僕は週1回テニスで汗を流し、通勤には自転車をこぐ割と健康体の35歳ですが(笑)、それでも疲弊しました。伊豆諸島へ宿泊前提で釣りへ行かれる方は、荷物を極限まで軽くし、円滑に移動・整理ができる量・重量の荷物に限定することをおすすめします。
伊豆大島や式根島でアカハタを釣るために、磯にまで入る必要はありません。特に重要なのは2つ。1点目は潮がぶつかる、地形的にはポケットのように窪んだポイント。2点目はその潮がぶつかる箇所の底が岩礁帯のポイントです。
アカハタに限ったことではないかもしれないですが、ポケットのような、潮が流れてきてそこで漂うようなポイントはよく釣れます。僕が実際にアカハタを釣った伊豆大島・式根島それぞれのポイントも、最初は遠くへキャスティングしていたのですが、ヒットしたのは足元。潮が堤防と岩礁帯で窪んでいて、潮の流れがバンバン当たり、そこで流れが漂うようなポイントでした。逆に、堤防の壁の平面部分に落としても、一切アカハタはかかりませんでした。実際、窪んでいないところにカメラを落とすと、そこにいたのは餌取り名人と呼ばれる魚たちばかりでした。
▼堤防下の平面部にカメラを落とし込んだ海底映像
事前情報は捉えていましたが、式根島ではサメが生息します。実際、僕らが釣りをしている最中に目の前を大きくジャンプするサメを2回見ました。先ほどの海底映像に偶然写り込んだサメについては、撮影していた当時そこにいることはまったく認識がなかったです。海に落ちたらシャレにならないですね…。くれぐれも、海には落ちないように足元には十分ご注意ください。
磯にまで入らずに、どうやってアカハタのいる岩礁帯のあるところにエントリーできるのか。実は伊豆大島と式根島を含む伊豆七島は火山の噴火でできた島。岩礁帯なんて探さなくても基本的に伊豆諸島では海へ行けば浜辺か岩礁帯ばかりです。実際、僕が釣ったアカハタはエントリーしやすい堤防で、堤防周辺が火山でできた岩礁帯になっていました。アカハタにとっては岩礁帯は身を隠しやすく、岩礁帯にいるかもと思い足元の岩礁帯に入れてみたら、すぐ釣れました。
式根島の観光協会が出している釣りカレンダーにはアカハタが載っていないので困るのですが(笑)、伊豆大島の釣りカレンダーではアカハタが年中釣れるとされています。
▼伊豆大島の釣りカレンダー(出典:オリオンツアー)
オリオンツアーの伊豆大島釣りカレンダー
式根島観光協会の式根島釣りカレンダー
伊豆大島から式根島も距離にすると50kmほど南へ進んだ島なので、全く同じとは言い難いですが、ここから判断するとアカハタは年中楽しめる釣りターゲットということが分かります。
アカハタが釣れたのは夕方4時。夕マズメのいい時間帯だったといいたいところですが、この日は小潮で満潮と干潮の高低差がほぼない夕マズメ。正直、時合いや潮目のおかげだとは考えにくい状況でした。
検証をしたわけではないので定かではないですが、最初にアカハタのアタリがあったのは午後3時半すぎごろでした。通常、こんな昼過ぎにアタリがあることは少ないと思うのですが、こんな時間ですらとても頻繁にアタリを感じました。実際にヒットさせるまで15分ほどかかってしまったのですが、最初にヒットしてから午後6時くらいまでずっとアタリを感じ続けていました。
完全な検証をしていないので、あくまで推察が入りますが、ロックフィッシュはある程度の時合いや潮目に影響はあるものの、青物のようにその時間帯だけしか釣れないというものではないように思います。それよりも、時間帯の活性に合わせたジグヘッドとワームの選定が重要なのではないかと思います。
当記事では伊豆大島・式根島でアカハタを釣ることだけにテーマを絞った内容でご紹介しました。狙ったとおりにアカハタを釣り上げるまでにはポイント選びからジグヘッド重量&ワームの選定、そして誘い方など多くの試行錯誤が必要で、そう簡単に釣れない魚には違いありません。でも、ひとたびコツを掴めば、これほど年中、そしてどの時間帯でも比較的釣りやすい対象魚は他にないのではないかと思います。そうして自分で釣ったアカハタは刺身にしても煮付けにしても最高に美味しかったです。
別記事で、僕らが泊まったコテージで自分たちで作るアカハタ料理編をご紹介したいと思います。また、他にも伊豆大島や式根島へ宿泊で釣りに行く際の注意点や、アクセスのことなど、別記事でご紹介予定です。
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