まさに至高の領域!超絶万能リールの「18ステラ 2500S」を徹底インプレ!
「ステラ」。それはすべてのアングラーが所有することを夢見る、まさしく最高のリールです。シマノのフラッグシップリールとして長い間にわたり君臨し、その機能・性能、高級感、所有する喜びは他の追随を許さないでしょう。一度巻き始めたらいつまでも巻いていたいと思える滑らかすぎる巻き心地。シマノの最高峰の技術をこれでもかというほど詰め込まれて実現された、「滑らかさ」、「強さ」、「耐久性」。まさに至高の領域とも呼べるステラの中でも小型ながらも万能性を持つ「18ステラ 2500S」について、その特徴とあわせ持つ機能、わずかですが注意すべき点と使用インプレをご紹介します。
18ステラ 2500Sの基本仕様は?
14ステラから4年ぶりにフルモデルチェンジを果たし、シマノの最新技術が詰め込まれています。ボディにはマグネシウムを採用し、滑らかで静粛性の高い巻き心地を叶える「マイクロモジュールギアⅡ」、「サイレントドライブ」により、極上の巻き心地を実現しています。さらにロングストロークスプールを搭載し、遠投性能を向上させたほか、「Xプロテクト」による高い耐水性、「HAGANEギア」による耐久性能も有し、従来モデル以上の軽い回転を実現した「NEW低摩擦ローラークラッチ」も追加されました。その他にもたくさんありますが、リール重量は205gとなり、「14ステラ 2500S」からは15gも軽量化されています。ベアリングの数はMAXの12個で、追加するところはありません。PEラインの糸巻き量は、【0.6号-200m、0.8号-150m、1号-120m】と様々な釣りに対応できるでしょう。しかし、最大ドラグ力は4kgと2500番なので当然なのですが、少し物足りない感じがします。エギングやシーバス程度であれば問題ない数値ですが、ライトショアジギングなどには少し厳しいです。後述しますが、これはスプールによるところが大きいため、改善策はあります。
マイクロモジュールギアⅡ+サイレントドライブ
マイクロモジュールギアⅡ
シマノならではの製造技術によって進化したマイクロモジュールギアⅡ。ギアの歯、ひとつひとつの歯面から設計を見直すことで、理想的な歯形状を追求し、音鳴りの低減、滑らかなギアフィーリングの向上も達成しました。 ステラ最大の特徴である巻き心地の良さは、マイクロモジュールギアⅡの恩恵にあずかるところが大きいです。
サイレントドライブ
ボディ全体の基本設計、駆動関連部品をひとつひとつ見直し、部品間の微細なガタ、隙間、揺れを細部に至るまで徹底的に排除しました。改善の対象箇所はドライブギア、ウォームシャフト、ウォームシャフトピン、ウォームシャフトギアなど多岐にわたり、新たな次元での滑らかな回転性能、静粛性を伴った巻きごこちを実現しました。 実際に手に取って回してみるとわかりますが、「本当にいくつものギアが噛み合っているのか?」と疑問を感じるほど、しっとりとして滑らかな巻き心地です。いつまでも回していたいこの感覚はクセになってしまいます。
HAGANEギア
HAGANEギアは、金属の塊(アルミニウム)を約200トンの圧力でプレスし、切削なしにミクロン単位の精度で仕上げたものです。精密冷間鍛造と言われる独自の技術が、硬く、粘り強いギアを生み、なめらかな巻きごこちを可能にします。従来機種でも搭載されてきた「HAGANEギア」ですが、18ステラではさらにその強度をアップさせ、14ステラと比較しても2倍程度の強度アップを実現しています。
金属ボディ・ローター・パーツ
ボディには、高級機でしか搭載されていないマグネシウムが使用されています。リールに使用される金属と言えばアルミニウムが有名ですが、マグネシウムはアルミよりさらに軽量であり、比強度(引張強さ⁄比重)が実用金属の中でも最高レベルに高いことが特徴です。18ステラでは、すべての番手でボディはマグネシウムですが、ローターに使用されている材質は、C2500番以下はマグネシウムで、2500番以上は、アルミニウムが採用されています。したがって「18ステラ 2500S」は、ボディがマグネシウム、ローターはアルミニウムということになります。比重で若干マグネシウムには劣るアルミニウムですが(つまり少し重い)、高剛性であることは間違いなく、適度な慣性を備え、ステラならではのしっとりした回転フィーリングを実現しています。さらに18ステラではドラグノブやハンドルスクリューキャップまで金属を採用しています。
ロングストロークスプール
ロングストロークスプールを搭載することで、2500番サイズで従来比約4%の飛距離アップを達成しています。18ステラから採用されたこのロングストロークスプールですが、スプールの長さは従来機種(17ツインパワーXD C3000HG)と比較しても一目瞭然です。ステラならではの遠投仕様が、いつもよりもさらに遠くへルアーを届けてくれるでしょう。
Xプロテクト
Xプロテクトは、新たな撥水処理に加え、水の浸入を抑えるラビリンス構造を複合することで、高い防水性能を実現しています。搭載個所はラインローラー部とローラークラッチ部で、特にラインローラーの耐久性は従来機種と比較しても5倍以上もアップしているそうです。ウェーディングしている最中に水がかかっても、オフショア釣行で海水を多く浴びた日でも、シャワー洗浄のみで海水を洗い流すことができます。メンテンアスでオイルやグリスを追加することで、その性能はさらに向上することでしょう。
新形状ラインクリップ
取り外しやすく、ホールド力をアップした新形状のクリップを採用し、エステル0.2号からフロロカーボンの40ポンドまで幅広く対応しています。正直14ステラから採用されていたラインストッパーの形状ですが、あまり良い評判ではなく、私も使いにくいなと感じていましたので、実際には使用していませんでした。18ステラからもとに戻ったともいえるシンプルなラインストッパーの形状は改善されていることがわかるので、好印象です。
スプールを変えることでさらに汎用性は上がる
「18ステラ 2500S」の最大ドラグ力は4kgですが、番手を一つ上げて「C3000番」クラスになると最大ドラグ力は9kgまで上がります。しかし、2500番とC3000番のボディサイズは実は同じで、異なるのはスプールのみです。このスプールに違いがあり、展開図を見ればわかるのですが、ワッシャーの数が異なるだけなので、実はスプールを変えれば最大ドラグ力を上げられるということになります。
なぜ私が18ステラ 2500Sを選んだか?
ただ「ステラ」という魅力に惹かれた
正直今まで釣りをしていて、「これはステラでないとだめだな」と思ったことは一度もありませんでした。基本ミドルエンドのリールを多用する私にとって、普段購入するリールでも十分以上の機能を有していますし、専用リールが必要になる場合を除いては、そこまでハイエンドのリールを使用する必要もなく、あとは所有感を感じるかどうかの差くらいに考えていました。そんなときに、たまたまかなり悪い状態ではありましたが、「18ステラ 2500S」を手に入れる機会があり、リールの分解にはまっている私にとっても、本気で全バラシをして修理してみようと思い購入しました。
完成されたステラに心奪われる
何とか修理が終わり(完璧とは言えませんが)、ハンドルを回してみるとその回転のシルキーさに感動しました。何よりもガタツキをほぼ感じられないというところに本当に驚かされました。部品というものは加工されるときに必ず「寸法誤差」というものが出ます。この寸法誤差が積み重なって「ガタツキ」につながるのですが、ステラは部品点数の多さに対してのガタが非常に少なく、隙間も感じません。これだけ精度の高い部品を設計し、品質検査がしっかりしている体制にも感心させられます。そしてステラを購入する際は注意が必要です。それは、このリールを使用してしまうと他のリールに満足できなくなってしまうという点です。2万円を超える決して安くはないリールでも、「ステラと比べると劣るな」と思ってしまうからです。一度ハマると抜け出せられない魅力には注意が必要なのです。
個人的に思う「18ステラ 2500S」の良いところ
高級感しかないデザイン
14ステラからも大きく変わり、スプールエッジ以外をすべてシルバーで統一された18ステラですが、発売当時はあまり好みではありませんでした。しかし、これもずっと眺めていると自然と引き付けられる魅力があり、計り知れない所有感と優越感で満たされます。リブレのハンドルノブやリールスタンドを装着するとその高級感はさらに増すので、おすすめのカスタムです。
- ハンドルノブ:リブレ EF30
- リールスタンド:リブレ カスタムバランサー(さくらリミテッド)
ベールを開閉した際の音も良い
「18ステラ」のベール開閉音は、他のリールとは少し異なる感じがします。それは、開閉時に金属音が混じっているということです。文章にすることが難しいのですが、通常は「カチャッ」というような開閉音が「カチャン」という感じに変わります。これは細かいですがとてもユニークな点で、細部までのこだわりを感じることができます。
逆に残念だと思うところは?
マグネシウムは腐食に注意
前述した通り、「18ステラ 2500S」のボディ素材はマグネシウムです。マグネシウムは軽量かつ強い金属である一方、腐食しやすいという欠点もあります。当然それを防ぐためにメーカーも表面処理を施していますが、どうしても日々の使用によりコーティングも取れてきて、ボディが腐食して穴が開いてしまうなどということがあり、「14ステラ」でもたまに目にするものでした。実際私の所有しているものも一部腐食していますが、これを防止するため、今回分解した際に外装パーツに車の内装パーツにも使用できるガラスコーティングを施してみました。まだ使用回数が少ないため、効果のほどはわかりませんが、2,000円ほどでカスタムできますし、腐食を防ぐためにもこまめなメンテや確認は必須です。基本的にノーメンテで長期間性能を維持できる機械製品は存在しません。高いから大丈夫だろうとタカをくくらずに、高いリールだからこそ大切に扱ってあげてください。
ラインローラーは一体型
たいていのリールはラインローラーと内部のベアリングは別々になっており、回転が悪くなってきたら分解して洗浄などを行うことでメンテナンスができるようになっていますが、「18ステラ」は、ラインローラーとベアリングが一体型になっており、交換時にはユニットで交換する必要があります。パーツ単体だと3,600円(税別)と割とするので、個人的には別々の方が良いのですが、「18ステラ」は表面に特殊な表面処理である、ダイヤモンドライクカーボンを施して摩擦を軽減しラインの消耗を防止しているので、少し仕方ない部分もあります。また、交換時の手間を考えるとまとめての交換の方が楽だというメリットはあります。
18ステラ 2500Sが特にマッチする釣りとは?実釣と使用インプレ
エギング
「18ステラ 2500S」のスペックを見ると、エギングには最適のものになります。リールの重量自体は、205gとそこまで軽いものではありませんが、ロッドに合わせやすい重量であるため、重宝します。最大ドラグ力4kgも全く問題ないでしょう。私がエギングで使用するPEラインは0.6号であり、「18ステラ 2500S」は200m巻けるので、陸からだけでなく、ティップランなどのオフショアでも余裕で使用できます。ステラはコアソリッドシリーズであるため、キビキビとした巻き心地ではないのですが、その滑らかな巻き心地は、重たいエギを使用しても全くリーリングに影響を及ぼさず、同じ慣性で巻き続けることができます。
シーバス
ナイトゲームで橋脚の明暗狙いをメインとする私にとって、リールの巻き心地というものは非常に大切にしています。その面ではステラはまさに最高峰のリールなので、言うことはありません。前述しましたが、ステラのすごいところはその巻き心地もさることながら、ルアーを引いている(負荷がかかっている)最中でも、その巻き感が変わらないというところです。リーリング中の不快感は全くなく、HAGANEギアのもたらす剛性感はファイト中にも全く不安を感じません。「18ステラ 2500S」のスペックでもシーバスは問題ないと考えられますが、スプールを変更すれば、さらに安心でしょう。私は夢屋の「18ステラ 2500 PE1215スプール」に変更しており、これで実用ドラグは6kgにアップし、PEラインも1号であれば190m巻くことができます。ひとつやりにくい点は、「18ステラ 2500S」のハンドル長さは50cmと少し短めなので、力を掛けにくいという点です。シーバス以上を狙う方にとっては、ハンドル長さが55cmになるC3000番を選択された方が良いと思います。
18ステラ 2500Sは最高峰のリールで間違いない
誰もが所有したいと思う「18ステラ」は、シマノのフラッグシップリールの名に恥じない最高峰の機能・デザインを有しています。今回ご紹介した「18ステラ 2500S」は、メインターゲットがブラックバスやアオリイカになると思いますが、スプールやハンドルをカスタムすることにより、幅広いジャンルに対応できるリールへとさらに一段階進化します。確かにステラは6~7万円ほどする高級リールですが、これだけ幅が広がれば、むしろ複数リールを所有するよりもコスパが良いのではないかと思えてしまいます。ですが、やはりステラと言えば、所有する喜びが一番だと思います。釣りに行って誰かが自分のタックル見て、「あっステラだ」と言っている姿が目に浮かびます。自己満足の世界ですが、釣りをしている中の喜びの一つだと思うので、ぜひ検討してみてください。