オフショアキャスティングゲームの最高峰!ダイワ ソルティガ14000-XHの使用インプレッションをご紹介
ソルティガ14000-XHの特徴
ソルティガシリーズの中でも14000-XHは大型回遊魚向けキャスティングゲームに向いており、太糸でのラインキャパシティとハイギア特有の一巻きの巻き取り量の多さが特徴です。ラインキャパシティに関して言えば、PE6号が300m巻ける為、、50㎏までのキハダキャスティングゲームや大型のヒラマサキャスティングゲーム等に使用し易いと言えるでしょう。キャスティングゲームでは、潮流や船の惰性による移動によりラインスラッグが出やすくなり、またナブラ打ちでは手返しも重要になる為、極力ハイギアを使用する方が無難です。合わせてボディサイズも大きく巻き取りパワーがあり、大型回遊魚向けキャスティングゲームではスタンダードな1台と言えるでしょう。
モノコックボディ採用による圧倒的な巻き取りパワー
旧モデルではリール本体のボディとボディカバーで本体が構成されていましたが、2020年のモデルチェンジによりボディをドライブギア本体でカバーの役割を果たす「モノコックボディ」を採用しています。これによりネジを使用しない分、ボディ内にスペースができ、旧モデルと比較し12%大きいドライブギアの使用が可能になりました。そして、ギア歯面の接触面積も大きくなったことで、バンドルに込めたパワーをよりダイレクトに巻き取りパワーに変換することを実現しています。この効果は非常に大きく、ラインの先に2㎏のドラグ値を掛けた電動リールを装着し、旧モデルと巻き取り比較を行いましたが、圧倒的に巻き取りが軽くなっており、正直驚きました。大型魚とのギリギリのやり取りでもリールのパワーだけで魚の頭を上に向けることが出来る圧倒的なパワーを持ったリールです。
ドラグ性能の向上
大型回遊魚、特にマグロ類の魚はヒットしてから強烈に走る為、ドラグの熱ダレによる性能低下やカジリ、ラインへのダメージが懸念されますが、本モデルより「新世代ドラグシステム」を採用することで耐久性を飛躍的に上げています。「新世代ドラグシステム」とはドラグに使用されているワッシャーの数を旧モデルの6枚から14枚に増加することでドラグに掛かる負荷を分散させ、また樹脂パーツを介さないことで導熱性を上げ、熱ダレを防止する構造です。また負荷を分散させることで、旧モデルと比較しドラグの滑り出しも各段に上がったと実感できます。
ファイト中のドラグ調整が容易
大型回遊魚とのファイト中、魚の体力によりドラグ調整をすることが多々ありますが、ファイト中にオフショアグローブを付けドラグ調整をするのは意外と容易ではありません。しかし今回発売されたソルティガは旧モデルと比較し、ドラグノブの形状が大きくなった為、オフショアグローブを付けたままでも比較的容易にドラグ調整が可能になりました。正直な感想を言えば、もう少しドラグノブの深さがあれば、より調整をし易くなる気がしますが、これでも充分満足できる形状なので問題なく使用できるでしょう。
キャスト時のライン放出がスムーズ
今回のモデルチェンジで巻き取りパワーと滑らかさの次に感じた点としてルアーをキャストした際のライン放出が飛躍的に向上した点です。キャスティングゲームは一日中投げ倒すことも珍しくないですが、ライン放出のスムーズであることは、飛距離を出す上でも、またドラブルレスの観点から見ても非常に重要なファクターです。ライン放出角度が良くないと、一番手元のガイドにラインが激しく当たる為、ライン放出速度が遅くなり飛距離が出ないばかりか、ラインがガイドに絡んだり、ライン同士が絡むエアノットが頻発する様になります。今回2日間ヒラマサキャスティングゲームで使用しましたが、大きなトラブルは1回もなく、気兼ねなく使用できる点は非常の大きな魅力だと感じました。
対抗馬ステラSW14000XGとの比較
オフショアゲームでのスピニングリールの最高峰として認知されているソルティガですが、同クラスのリールとしてシマノが発売する19 ステラ SW 14000XGとの購入を迷っている方も多いと思います。旧モデル同士の比較では正直、ステラSWの方が若干勝っていた印象がありますが、今回のモデルチェンジでは明確な優劣はなくなったと感じました。もちろんダイワとシマノでリーディングのフィーリング、デザイン等の好みも分かれるかと思います。しかしどちらのリールも買って間違いのない素晴らしいリールだとオススメできます。個人的に強いて言うのあれば、キャスト時のライン放出性はソルティガに軍配が上がり、ドラグの滑らかさ、特にドラグの滑り出しはステラSWが僅差で上回るかと感じました。ですが先ほどもお伝えした様に、どちらも大きな差はなく正直好みで決めても問題ないと思います。
気になる点
ドラグ性能
気になる点として挙げるとすれば、初期のドラグの滑り出しでしょうか。旧モデルでも魚がヒットしてからの初期のドラグの滑り出しが若干引っ掛かる様な感じがしましたが、大幅に改善された本モデルでもやはり若干ではありますが、同様の現象を感じました。ステラSWでは掛けたドラグ値に達すると滑らかにチリチリとラインが出ますが、ソルティガの方は一定値までは踏ん張りますが、その数値に到達すると一気にラインが出るような印象があります。もちろん旧モデルと比較すると大幅に改善されてはいますが、ステラSWをメインに使用していると依然として若干の差がある様に感じました。しかし実釣においては、この差によって魚のキャッチ率が変わる様な物ではないレベルですので、メーカー毎のフィーリング位に捉えていて問題ないです。
向いている釣り
大型青物キャスティングゲーム
モデルチェンジしたソルティガシリーズの最大の特徴は巻き取りのパワーですが、これは大型のヒラマサ等の青物キャスティングゲームで非常に有利に働きます。特にヒラマサやカンパチはヒットしてから一気に根に突っ込む習性がありますので、ラインを出さない様にしてリールのパワーとロッドのリフト力で一気に魚を浮かす必要があり、ソルティガ14000-XHの得意とする釣りの1つでしょう。またヒラマサ等の青物はマグロ類の魚と比較し、ルアーを断続的に早く動かしながら誘うシーンが多いので、よりハイギアモデルであるXHモデルの方が、ローギアタイプのものより格段に使い易いと思います。
キハダマグロキャスティングゲーム
近年、相模湾や尾鷲沖等を筆頭に人気急上昇しているキハダマグロキャスティングゲームですが、この釣りもソルティガ14000-XHが得意とする釣りの一つです。キハダマグロキャスティングゲームでは、マグロがイワシ等のベイトを食い上げて水面に出てくるナブラ打ちと水面下に反応がある状況での誘い出しの2パターンがあります。どちらも青物キャスティングゲームと比較し、かなりスローにルアーを操作する為、一見ローギアタイプのモデルの方が使い易い様に感じますが、ナブラ打ちでは魚が移動し、ルアーを回収する際、一秒でも早く回収できた方が、キャスト数も増えヒット率を上げることが出来、またファイト中でも魚がアングラー側に向かって泳いで来た際に、ラインスラッグを出さずにラインを巻き取れ、テンション抜けによるバラシを減らすことが出来ます。キハダマグロキャスティングゲームをこれから始めようと検討している方の最初の1台として最も使用し易い番手と言えます。
ソルティガ14000-XHの総評
今回のモデルチェンジで最初に触って感じた点は旧モデルからのリールの全体の完成度が格段に上がった点です。特に巻き取りパワーやライン放出性能には目を見張るものがあり、使用していて正直感動すら覚えました。同価格滞のステラSWと比較されることが多いですが、現モデルはどちらのリールを購入しても損はないです。デザインや各種メーカーの癖や特徴がありますので、ご自身のフィーリングにあったリールを購入することをオススメします。