ダイワ・キャスティズム25 QDは磯でのぶっ込み釣りが最高に楽しい!
「キャスティズム」という釣りをご存知でしょうか? 地磯などで行う「ぶっ込み釣り」、「胴突き投げ釣り」などの投げ釣りのジャンルのひとつですが、プロ釣り師の村越正海氏が提唱し続け、少しずつメソッドを進化させてきた新しい釣法です。定義は難しいのですが、磯でのあらゆる投釣りのことを指します。ターゲットは、イシダイやイシガキダイなどの磯上物からチヌ、グレ、ロックフィッシュ、青物と、離れ磯周辺に居付いていたり回遊してくるあらゆる魚です。基本は胴突き仕掛けやぶっ込み仕掛け、場合によってはサビキ仕掛けを離れ岩や隠れ根の周囲目掛けてキャストし、置き竿でアタリを待つスタイルです。そんな釣りに必要なリールの特性とは? 今回は、キャスティズム専用リール、ダイワ・キャスティズム25 QDを紹介します。
キャスティズム専用リールとは?
まず、「キャスティズム」に必要なリールの特性を考えてみましょう。キャスティズムという釣りを磯からの投げ釣り全般と定義してみます。まず、このリール、フォルムは「サーフキャストリール」です。しかし、サーフキャストリールとしてもっとも重要なファクターである「飛距離」は第一義ではありません。その証拠に、スプールのストロークがサーフキャストリールと比較すると短く、25mmになっています。ラインキャパもPE2号で150mと、やや控えめになっています。もちろん、キャスティズムはキャストの釣りですので、飛距離は重要です。しかし、キャスティズムはそれだけでは成立しません。
キャスティズムは、あらゆる場所であらゆるターゲットに対して、仕掛けを遠投することでアプローチする釣りです。対象魚のサイズは比較的大きいものが多く、突然の大モノのバイトがあったときに落ち着いてファイト姿勢に入らなければなりません。なので、キャスティズム専用リールに求められる特性は、パワーに重きが置かれます。
キャスティズム25 QDのスペック
キャスティズム25 QDのスペックを見てみます。見た目はサーフでのキャストリールですが、最大の特徴はスプールのストロークが25mmであることです。飛距離が最優先のサーフキャストリールの場合は、ストロークは最低35mm、トーナメントモデルでは45mmのロングストロークスプールが使われます。ギア比は4.7のノーマルタイプで、ここからもバワー重視であることが伺えます。ハンドル1回転あたりの最大巻き上げ長さは94cmです。エキストラハイギアモデル並みの巻き上げ長さですが、これはハンドルの長さによるところとなります。ハンドル旋回長が長いので、高速リトリーブは少し疲れるかも知れません。それよりも、長いハンドルストロークを生かし、根に潜ったロックフィッシュを強引に引きずり出すなどのパワープレイに向いています。自重は410gです。
QD(クイックドラグシステム)か、ATD(オートマチックドラグシステム)か?
磯からのぶっ込み釣りや胴突き投げ釣りなどは、基本置き竿でアタリを待つスタイルなのですが、イシダイやイシガキダイ、フエフキダイやハタなどは突然ガツンとアタり、一目散に走り出します。置き竿する際は、ドラグを目一杯緩め、タックルが海に引きずり込まれないようにしておき、素早く竿を立て、ファイトに持ち込まなければなりません。ファイト開始と同時にドラグを実用強度に締める必要があるのですが、通常のドラグの場合は、ドラグノブを何回転もさせなければなりません。しかし、クイックドラグであれば、たった1回転でドラグを締めることができます。置き竿でぶっ込み釣り、或いは胴突き仕掛けを遠投し、置き竿でアタリを待つような場合は、QDモデルで決まりです。キャスティズムには、15PEという、通常のATD(オートマチックドラグシステム)モデルも存在しますが、こちらは弓角を天秤で投げるサーフトローリングでの青物狙いなど、置き竿をしない釣りに有効です。
キャスティズム 25 QDのその他の機能
キャスティズム 25 QDは、常にタフな釣りをする前提で開発されたスピニングリールのため、当然ながらドライブトレインや、それを支えるボディ周りが強化されています。ドライブギアには高強度アルミの高精度マシンカット品が組み込まれています。また、そのドライブギアに回転力を与えるハンドルは、マシンカットされたねじ込み式ハンドルが採用されており、一瞬のガタも許しません。それに呼応して動くローター及び、全体を支えるボディには、ダイワが開発した高密度カーボン強化樹脂「ZAION」を使用し、マグネシウム合金並みの強度を備えながら、マグネシウム合金より軽く仕上げられています。自重410gは、4.5m以上の長めの遠投用ロッドと、20〜25号程度のシンカーを使う磯でのキャスティズムには非常にバランスの良い重量となります。
キャスティズム 25 QD は汎用性はあるか?
サーフキャストリールほどゴツくなく、かと言って、汎用スピニングリールではイザというときに不安だという場面で大活躍出来るでしょう。イシダイ、イシガキダイ、ブダイなどのぶっ込み釣り、アイナメ、カワハギなどの胴突き投げ釣り、或いは青物狙いのカゴ投げ釣りなどが面白いでしょう。常にアクションを要求されるジギングはツラいと思いますが、その他の釣りにはすべからく使えるでしょう。特に、どんな大物がかかるかわからない、磯でのキャスティングには最高にマッチするでしょう。岩にチャランボーを立打ち込み、置き竿で、磯上物がガツンと食いつくのを静かに待ち、アタリを見極めたらすかさずに動き、パワーファイトするようなエキサイティングな釣りが似合います。また、これまで仕掛けを投入できなかった、場荒れしていない沖の離れ岩目掛けてフルキャストし、スレていない大物を狙うなどの釣り方が似合うリールです。淡水では、ヒットセンサーを付けたロッドを置き竿にして鯉を待つヨーロピアンスタイルのカープフィッシングに最適です。キャスティズム 25 QDは、突然やってくる大物とのパワープレイには最適なリールです。