海タナゴ釣りの餌選びは、餌の種類よりも餌のサイズに気をつかい。春の波止でのんびり遊ぼう!

作成:2022.02.21更新:2022.02.21

水深が浅く、波が穏やかな漁港や小堤防などでは通年楽しめ、藻場の多い地磯では春先に稚魚でお腹がパンパンの大型個体も数多く釣れる海タナゴは、海釣りデビューする子供の最初のターゲットとしても、淡水小物釣りからド派手な巨魚釣りまで、ひと通りの釣りをやり尽くしたアングラーが再び戻ってくる釣りのターゲットとしても楽しめる魚です。

波止で釣りをしていれば、狙っていなくても釣れてくることが多い、初心者にも釣りやすい魚でありながら、数をまとめたりサイズを追い求めたり、テーマを持って釣ろうとするとなかなか難しいターゲットになります。今回は、そんな海タナゴの釣り方と仕掛け、餌について解説します。

海タナゴは親しみやすいターゲット

海タナゴは、北海道南部以南の日本全国の沿岸に分布し、水深が浅く、波が穏やかで藻がよく発生している岩礁地帯や堤防、漁港などに広く生息しています。

チャリコ(マダイの幼魚)を彷彿とさせるフォルムとカラーリング、さらに春はお腹がパンパンに膨れた大型個体がかかることがあり、バケツの中で稚魚を産むこともある卵胎生という生態が子供からベテランまで愛される理由です。稚魚を抱えた個体は速やかにリリースしましょう。もし、バケツの中で稚魚が生まれてしまった場合でも、卵胎生魚はすでに母体から出てきた時点である程度成長しており、自力で生きて行けるため、そのままリリースして問題ありません。

海タナゴは数十匹単位の群れを作っていることが多いため、一度釣れ出すと立て続けに釣れることが多いのも魅力です。

海タナゴの生態

「ウミタナゴ」と呼ばれる、ウミタナゴ科ウミタナゴ属の魚は、体色が全体的に銀灰色の「マタナゴ」、青みがかかっている「アオタナゴ」、赤みがかかっている「アカタナゴ」がいます。また、ウミタナゴ科オキタナゴ属には、やや沖合性の「オキタナゴ」がいます。ショアの浅場で、釣りのターゲットとなるものはアオタナゴ、アカタナゴ、マタナゴです。これらは通年、沿岸の藻場に定着し、大きな移動をせずに一生暮らします。食性は肉食性で、ゴカイやイソメなどの多毛類、アミエビやヨコエビなどの小型の甲殻類、その他動物性プランクトンを食べています。底砂に隠れている餌は砂ごと吸い込み、餌だけを摂取して砂をエラから排出する器用さも持ち合わせています。この器用さが、海千山千のベテラン釣り師が原点回帰としてウミタナゴ釣りに帰ってくる理由でもあります。

海タナゴ釣りの仕掛け

それでは、海タナゴ釣りの仕掛けを紹介します。ここでは、ビキナー向けの仕掛け、ベテラン向けの仕掛けに分けて説明します。

ビギナーでも簡単に釣れるサビキ仕掛け

ファミリーフィッシングで、漁港や堤防など、足場の良い場所で海タナゴを釣る場合におすすめなのがサビキ釣りです。サビキ釣りの仕掛けは、市販のサビキ仕掛けを使いますが、海タナゴ用として売られているサビキ仕掛けはありませんので、「波止小物」や「小アジ・小サバ」などの小物用仕掛けを選びましょう。具体的には、幹糸1.5号〜2号、ハリス0.8号〜1号の5〜6本針仕掛けです。小さなコマセカゴをつけ、アミエビを入れます。

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コマセカゴの位置は、基本、上カゴ式でも下カゴ式でも構いませんが、大まかなルールとしては、水深が深い場所(5m以深)の場合は上カゴ式、それより浅い場所であれば下カゴ式にします。そのほうが、コマセと針の同調がやりやすいからです。

サビキ仕掛けにコマセカゴが付属している場合、カゴの底面にオモリが仕込んであれば下カゴ仕掛け用、オモリを別につける必要があるものは上カゴ仕掛けですので覚えておきましょう。

第一精工 コマセ フタカゴ 下カゴ

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コマセカゴに解凍されたアミエビを入れ(この時にギシギシに詰めてしまうとコマセの出が悪くなりますので軽く入れます)、静かに仕掛けを沈め、狙ったポイントまで仕掛けを落としたら軽く仕掛けを上下にゆすり、コマセカゴの中のアミコマセを放出してアタリを待ちましょう。海タナゴは小さな口で餌を吸い込んだり吐き出したりを繰り返すため、アワセるタイミングには少し慣れが必要ですが、気持ち「あ、遅かったかな?」くらいでちょうどいいタイミングだと思います。グイッと穂先が絞られてから、慌てずにアワセましょう。

爆発的な釣果も期待できる「トリック仕掛け」

サビキ仕掛けに似た仕掛けで、トリック仕掛けと呼ばれるものがあります。カラ針のもの、ハゲ皮が付いているもの、ダブル針になっているものなどがありますが、基本はカラ針の仕掛けです。針数はサビキ仕掛けよりも多く、8本針~10本針のものが多いです。トリック仕掛けには自動餌つけ器という道具が必要です。自動餌つけ器にアミコマセを山盛りにして置き、トリック仕掛けの針が付いている部分をコマセの山にこすりつけると、針一本一本にアミが勝手に刺さるという寸法です。

トリック仕掛けは、本物のアミエビを針につけているため、サビキ仕掛けのスキンやハゲ皮が巻かれた針が見切られてしまい、食いが渋い時には特に効果的です。活性が高いときにはコマセカゴなしでも爆発的に釣れ続けることもあります。

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ベテランも夢中になる、延へ竿でのシモリウキ釣り

海タナゴ釣りの面白さを満喫するためには、延竿を使ったシモリウキ釣りをおすすめします。リールを使わず、道糸にシモリ玉を5個程度つけて藻場に隠れている海タナゴを狙う釣法です。この釣法は、特に春先は大型の個体が期待できます。繊細な延竿が美しい弧を描き、ヘラブナ釣りを彷彿とさせる「静の釣り」ながら、一瞬の駆け引きに勝利し、アワセが決められれば、強い引きが味わえる、ゲーム性の高い釣りです。

延竿は細身で軽量な先調子の万能竿を使用します。安価なものでも構いませんが、グラスファイバー使用比率が高いものは持ち重りしますので、予算と相談しながら、軽いものを選びましょう。長さは5m〜6m程度の長めのものをおすすめします。

道糸はナイロンの0.8号〜1号程度の細いものを使うのが非常に楽しいです。道糸の中間点くらいにはシモリ玉を5個つけます。そして、ハサミで小さく切った板オモリで、シモリ玉の真ん中(3個目)を境に先の2個が沈み、後ろの2個が浮くように浮力を調整します。ハリスは短くても構いません。フロロカーボンの0.6号〜0.8号程度で30cmもあれば十分です。

このシモリ玉を複数使ったウキフカセは、玉ウキなどを1個だけ使ったウキフカセ仕掛けと比較すると、全体の浮力を複数のシモリ玉で受け止めるため、シモリ玉ひとつあたりの浮力を小さくすることができ、結果として高感度の仕掛けにできるというメリットがあります。ただし、シモリウキ仕掛けにも弱点があります。それは「荒れた日は使い物にならない」ことです。風が強かったり、シケている場合は浮力の強い玉ウキ仕掛けや棒ウキの方に軍配が上がります。凪のコンディションの時は抜群の威力を発揮します。

餌は小型のオキアミか細身の岩イソメか青イソメが良いでしょう。コマセにはサビキ釣りと同じくアミエビが良いです。延竿では仕掛けが届く範囲が決まっていますので、コマセは足元付近にティースプーン1杯程度のごく少量を撒き、コマセを広範囲に広げないように気をつけます。

シモリウキのアタリは非常に特徴的です。シモリウキは道糸と同一ライン上にあるため、道糸の僅かな動きを可視化してくれます。エサをくわえて左右に走る、深場に潜る場合はシモリウキが全部沈んだり(消し込み)、逆にエサをくわえて浮き上がる場合はシモリ玉が全部浮いてきたり(食い上げ)、アタリがほとんどわからない野にエサだけ食われている(居食い)など、様々なパターンのアタリがあります。じっくりと腰を据え、シモリウキの僅かな挙動に一点集中し、一瞬のタイミングを逃すことなぐ次々と掛けて行く。海タナゴのシモリウキ釣りのこういったスタイルが、いろんな釣りをやり尽くしてきた大ベテランがもう一度戻ってくる理由です。

海タナゴ釣りの餌

海タナゴは基本肉食性の魚ですが、口が非常に小さい魚ですので、餌の選定はサイズに気をつけましょう。最も効く餌はアミエビなのですが、アミエビは小さすぎるため、トリック仕掛けを使う際に使用する自動餌つけ器で針につけるしかありません(アミエビ1匹をつまんで針先につけられないこともないですが、アミエビはあまりにも小さく柔らかいのでイライラします)。

そのため、アミエビはトリック仕掛けでしか使えないと思った方が良いでしょう。トリック仕掛けにつけるアミエビも、針先にわずかに引っかかっている程度で、アミエビの体内に針が通っているわけではないので、超投げ程度のキャストにも耐えられません。アミエビをつけたトリック仕掛けを使う場合は、ティップから垂直に仕掛けをゆっくり落とすしかできません。

ちなみに、ラテックススキンやハゲ皮が付いている通常のサビキ仕掛けを使っていて食いが悪い時に、針の先端にアミエビを1匹刺すと劇的に食いが立つようになります。さしものサビキ仕掛けでも、やはり生エサにはかなわないという好例です。

やはり最良の餌はオキアミか

アミエビは、海タナゴの嗜好性という意味では最強であると言っても過言ではないでしょう。しかし、先ほど述べた通り、刺し餌としての使い勝手は極悪ですので、実使用を考えるとやはり最良の刺し餌はオキアミということになるでしょう。その場合は、できるだけ小さいものを使いましょう。クロダイや青物狙いなどの時は2L~3Lといった大粒のものを使いますが、海タナゴ狙いの時はM~Lサイズのオキアミを使いましょう。

生タイプ、半ボイルタイプ、ボイルタイプ、ハード加工品、アミノ酸添加品、着色品など様々なタイプの刺し餌用オキアミが売っていますが、海タナゴ狙いの場合はあまりこだわる必要はないかも知れません。針持ち性を考えてボイルタイプ、もしくはハード加工を施した生タイプのどちらかを選んでおけば間違いありません。撒き餌用のオキアミブロックを解凍したものに、みりんや砂糖を使って自作のハード加工をする方法もありますが、サンデーフィッシャー程度の釣行頻度であれば、手間を考えたら加工済のものを買った方が良いでしょう。

針持ち性No.1は虫エサ

とにかく針持ち性を最重要視したいということであれば、虫エサをおすすめします。嗜好性でいえば岩イソメが最高なのですが、やや高価であることと、細身のものが少ないため、ジャリメ(石ゴカイ)が一番良いでしょう。ジャリメの細さと短さが海タナゴの口のサイズにジャストフィットです。ジャリメはヌルヌルの粘液をたっぷり出しますので針につけるのがやや難しいですが、釣具店で「石粉」と呼ばれて売られている、虫エサを扱うためのすべり止め(石灰岩の粉末)を使えば滑らずにつかむことができるようになります。もちろん、最も安価な青イソメでも全く問題はありません。その際は細身のものを選びましょう。

人工イソメ

マルキュー・パワーイソメ、バークレイ・ガルプ イソメなど、生分解性ゴムに魚が好む味やにおいを付与する液体をしみこませた人工イソメは使ったことありますか? 私の印象では、本物のイソメとの違いは分からないくらい、魚がアタックしてきます。正直、こんなに嗜好性が高いとは思っていませんでした。好きな長さには切って使えますし、余ったら保存液の中に入れておけば保存も可能で、非常に優れた人工餌です。太さやカラーが様々ありますので、いろいろ試してみることをおすすめします。

マルキュー パワーイソメ(中) 青イソメ

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魚の切り身


サバ、サンマ、イワシなどの青魚の切り身も海タナゴが好んでアタックしてきます。その際は、フィレを取ったあと、塩をまぶして冷蔵庫に一晩寝かせて塩締めしたものを作れば針持ち性が格段に向上します。ただし、時間をやりすぎると水分が抜けきって硬くなってしまうので、一晩寝かせたら塩は洗い流して水分を良くふき取ってから小さく切って冷蔵庫で保管しましょう。海タナゴ狙いの場合は、幅5mm、長さ30mm程度をMAXサイズとしてカットしましょう。ついでにメバルやカサゴも狙いたいなら、もう少し大きめでも良いでしょう。

練り餌

マルキュー・ネリックス アミ、趣味娯楽社・生ミックなど、さまざまな商品が販売されています。海水魚が好む素材を練り上げてペレット状にした商品で、そのまま針につけてすぐに使える練り餌です。海タナゴ狙いの場合はペレットを半分以下の大きさにカットして、指で練り直して針に刺して使いましょう。

練り餌は対象魚によって様々なレシピで製造されたものがありますが、海タナゴは比較的どのタイプの餌にも食いついて来ますが、おすすめは、マルキュー・ネリックスアミと、フィッシュワゲット オキアミレッドです。これらはどちらも常温保存タイプであり、使い勝手に優れています。

春の波止で海タナゴの可愛さに癒やされよう!

海タナゴは比較的簡単にお目にかかることができるターゲットではありますが、やはり春先の、稚魚をたくさん抱えた大型個体を釣るのはエキサイティングです(お腹パンパンのメスはリリースをお願いしますね)。

著しく扁平している魚体は可食部は多くありませんが、海タナゴは食味も悪くありません。身はやや水っぽいので、刺身でいただく際は水分を十分取りながら2〜3日熟成させたほうが良いかもしれません。美味しい食べ方は塩焼きと干物です。

塩焼きは身が真っ白く、フワフワで甘みがあり非常に美味です。干物は開いて血合いをキレイに洗い流したら3%程度の塩水に30〜40分つけてから一晩干します。軽く焼いていただくとお酒のツマミに最高です。見た目が可愛らしく、釣り味が楽しく、食べて美味しい海タナゴ、一度ちゃんと狙ってみませんか?

この記事を書いた人

初心者歴40余年!
ショアおやじ

 メジナ、クロダイ、アイナメ、カサゴ、メバル、カワハギ、シロギス、イシモチ、カレイ、ハゼ…ベラ、フグ、ヒイラギw、ウキフカセ釣り、投げ釣り、穴釣り、江ノ島周辺(湘南大堤防、表磯、裏磯、片瀬漁港)、福浦岸壁、大磯サーフ、逗子・葉山界隈、城ヶ島(神奈川県)

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