では、カレイの投げ釣り仕掛けの自作手順について説明します。順序としては、砂ずりを作り、その後、エダスを結び、最後に元針を結びます。
仕掛けのメインラインとなるナイロンラインを切り出します。切り出す長さは、「作ろうとする砂ずりの長さ×3+幹糸の長さ+端糸(15cm程度)」です。仮に、砂ずりの長さを30cm、全長を150cmにしたい場合は、「30cm×3+120cm+端糸=210cm+端糸分」となります。
メインラインを折り曲げて、砂ずりの長さ分の部分を指で押さえます。このとき、端糸側は、2本撚りができたあと、3本目の撚り糸として2本撚りに再度巻きつけますので、砂ずりの長さ分+15cmくらい取ります。この15cmは、あとでハーフヒッチをやりやすくするためです。
本線と端糸の2本のラインを、テンションを強くかけながら、もうこれ以上撚ることができないというところまでキツく撚ります。この工程で、撚りのテンションが甘いと、砂ずりにした際に撚りが戻りやすくなり、張りのある砂ずりになりません。カレイの投げ釣り仕掛けの良し悪しは砂ずりのデキで決まると思い、手を抜かずキッチリと、キツく撚りましょう。
2本撚りができたら、端糸をハーフヒッチで2回ほど結び、仮固定します。
ハーフヒッチで仮固定ができたら、砂ずり先端の輪を足の指などに掛け、ライン全体をピンと引っ張り、端糸を2本撚りの先端に向かって更に強く巻いていきます。
端糸を2本撚りの先端まで巻いて3本撚りができたら、2本撚りと3本目の端糸を一緒にチチワ結びで固定します。チチワの輪のサイズは、スナップサルカンを取り付けることができる小さなサイズで良いです。
このように、3本目の端糸と、これまでに作った2本撚りを必ず一緒に輪の中に通さなければなりません。
最後にチチワをゆっくりと締めて、砂ずりの完成です。3本撚りになっていますので、ラインの号数によってはかなり締め付けにくいかも知れませんが、しっかりと締めておきましょう。
3本撚りの砂ずりは、2本撚りの砂ずりと比べて、撚りが戻りにくく、砂ずり全体も張りが強くなるため、仕掛けが天秤に絡むなどのトラブルが激減します。
エダスは2本針仕掛けなら1本、3本針仕掛けなら2本結びますが、40cmを超える、いわゆる座布団級の大型カレイを狙う場合は2本針仕掛けで行きましょう。3本針仕掛けはエサの消費が激しいことと、もしカレイが複数かかってしまった場合、取り込みが大変難しくなってしまうためです。2本針仕掛けで、エサを見せる針と、エサを食わせる針の役割を1本ずつ担当させましょう。
まず、幹糸とエダスとなるハリスを写真のように沿わせます。このとき、針が必ず仕掛けの上方、すなわち砂ずりがある方に来るように沿わせます。
エダスの向きを正しく沿わせたら、結びたい場所の幹糸とハリスを一緒につまんで輪を作り、輪の交点を指で押さえながら輪を1〜2回ひねります。
幹糸とエダスで作った輪をひねったら、輪の中に幹糸とエダスを一緒にくぐらせ、エダスと幹糸をじんわりと締めます。この際、エダスの端糸は数cm残しておかないと、締め込みが難しくなりますので気をつけましょう。
また、幹糸とエダスの太さが極端に異なる場合は締め付けがうまく行かないことがあります。そんなときは直結ではなく、トリプルサルカンを使うのも手です。トリプルサルカンを使う場合は、エダスの下から元針までは別の幹糸を用意する必要があります。
十分に締め込みができていることが確認できたら、仕掛けの最下端に本針を結びます。元針、枝針のチモト部には、カレイの好奇心を惹く発光玉やティンセルなどをつけるとアピール効果が上がるでしょう。
仕掛けを作り終えたら、必ず行わなければならないことがあります。それは、砂ずり部から先端の本針部まで、何回かに分けて両手で掴んで十分に引っ張り、仕掛けのヨレを完全に除去しておくことです。これをきちんと行ったか否かでは、仕掛けの絡みトラブル発生の危険性が全く違います。仕掛け全体が真っ直ぐ一本の状態になるまで、よく引っ張ってヨレを解消しておきましょう。
普段から投げ釣り仕掛けを自作している方は問題ないと思いますが、初めてチャレンジする方は、いくつか注意点がありますので、頭に入れておいてください。
一発で仕掛けを完成できるようになったら、メインラインは規定量取っておけば問題ありませんが、やり直しを繰り返しながら仕掛けづくりをするような場合は、ある程度余裕を見て長めにラインを取っておいたほうが良いでしょう。結び直しでヨレたり縮れたりてしまったラインを切り捨てたりを繰り返すと全体が短くなってしまいます。
前項「砂ずりの重要性」で説明しましたが、砂ずりの長さは、必ず天秤のL字の対角線長よりも 長めに取らなければなりません。砂ずりは、撚り糸にすることでその部分のラインの張りを高め、天秤に絡まないようにするためにありますので、天秤の対角線より短いと、天秤内の砂ずりと幹糸の境目で仕掛けが暴れやすくなり、仕掛けが天秤に絡みやすくなります。
エダスは必ず針側を砂ずり側に来るように結ばないと、幹糸に絡んでしまって釣りになりません。また、エダスが長すぎても絡みが起こりやすくなります。エダスの長さは10cm前後あれば十分です。
もし、どうしても絡みが解消しないようであれば、幹糸への直結からトリプルサルカンを使用した仕掛けに変更しましょう。
投げ釣りの仕掛けづくりは、様々な仕掛けづくりの中でも一番難しい類のものだと思います。現場でチョチョっとできるほど甘くはありません。心を穏やかに、精神を集中し、仕掛けづくりに没頭しましょう。現場で急いで作った仕掛けでは、キチンと結ぶべきところの強度が足りないなど、思わぬ落とし穴があるかも知れません。必ず自宅で行いましょう。
冬場はショアから離れ、沖の深場に落ちている魚が多い中、産卵準備のため接岸してくる数少ないターゲットがカレイです。地域にもよりますが、早ければ10月中旬頃から、遅くは翌年のゴールデンウィークくらいまで、ショアからのカレイの投げ釣りが楽しめますが、一般的には、メインシーズンは12月上旬頃から3月いっぱいくらいまででしょう。
その期間は、他の釣りはすべてお休みして、カレイの投げ釣りに没頭アングラーもたくさんいます。それだけ、大型のカレイ狙いの投げ釣りはダイナミックでエキサイティングな釣りです。
大型のカレイは、単にずっしり重いだけでなく、力強くアングラーに対して抵抗してくれます。リールを巻き上げている間、何回か、ドラグがなり、ラインがジリジリ出てゆくほどのファイトを見せてくれます。このやり取りが真冬のロングキャスターを虜にしてくれます。
そんなカレイ釣りが、自作の仕掛けでできたら、そして自作の仕掛けで釣り上げることができたら、アングラーとして至上の喜びだと思いませんか?
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