モアザンだけではない！ Xファイアはシーバス釣りのみならずソルトウォーター全般に高い次元で対応できる隠れた実力派だ！
ダイワの魚種専用スピニングリールのカテゴリーに、Xファイアというリールがあります。シーバス専用リールなのですが、ダイワのこのカテゴリーには「モアザン」という、超ハイスペックリールがあるので、Xファイアは目立たない存在かも知れませんが、実は超コスパの良いハイスペックモデルです。シーバス専用のみならず、ソルトウォーター全般を高い次元でこなす実力派リールです。今回派Xファイア 3012Hについて紹介します。
シーバス専用リールに求められる機能
シーバスはショアから釣れる魚のなかではトップクラスのサイズとパワーを持ったターゲットです。意外過ぎるほどの近い場所で、80cmを超えるような巨大シーバスがヒットすることもあります。そのため、ショアジギング用のスピニングリールとは若干求められる性能が異なります。ショアジギング用リールで最も求められる機能は遠投性になりますが、シーバス専用リールは飛距離至上ではありません。比較的近い場所でも大物が掛かりやすいシーバスは、掛かったあとのファイトが長くなりがちです。そして、シーバスには、フックを外そうと抵抗するため、水面をジャンプして、首を激しく振り、フックを外そうとする「エラ洗い」という独特な行動をします。このエラ洗いを回避するためには、ゴリ巻きは厳禁で、ラインテンションを保ち、ロッドを寝かせた状態で一進一退の攻防をしながらチャンスの機会を待ち、その時が来たら一気に寄せるというファイトスタイルになります。そのため、優れたドラグ性能と、バワーのある巻き上げ力が求められます。
Xファイア 3012Hの基本スペック
ダイワ・Xファイア 3012Hの基本スペックを見てみましょう。ギア比は5.6、ハンドル1回転あたりの最大巻き長さは95cmのハイギア設定です。最大ドラグ釣力は7kgと、シーバス専用機としては控えめではありますが、2015年に発表した、ダイワの最新型ドラグシステムであるATD（オートマチックドラグシステム）が装着されています。ダイワの従来のドラグシステムと比較すると、同じドラグ力のセッティングの場合、効き始めがATDの方が早く、じんわりとラインが出て行きます。また、アワセなどで一時的に強い力がかかった場合、従来ドラグでは踏ん張りが効かずラインが出すぎてしまい、フッキングが甘くなってしまうこともありましたが、ATDでは大きな力がかかった場合でもラインはじんわりと出て行くため、きちんとフッキングができます。ダイワのATDは、現時点では究極のドラグと言われている優れたドラグシステムです。
Xファイア 3012Hのベースモデルは14カルディア
Xファイア 3012Hのベースモデルは、14カルディア 3012Hです。14カルディアは、ダイワの2018年以降の機種に採用されている新設計基準である「LTコンセプト」は当然適用されていません。しかし、LTコンセプト導入前においても、カルディアは軽量をコンセプトとしたモデルとして、樹脂パーツを多用していました。ダイワが開発した、強靭・軽量のカーボン繊維強化樹脂である「ZAION」をボディに使用し、かつ大胆に肉抜きし、軽量化を図っています。Xファイア3012Hの自重は235gです（14カルディア 3012Hの自重は260g）。14カルディアとの違いはスプール材質とボールベアリングです。スプール材質は14カルディアが薄肉アルミマシンカット品、Xファイアがノーマルアルミスプールです。ボールベアリング数は14カルディアは6/1ベアリングですが、Xファイアは1つ多く、7/1ベアリングです。
充実のスペックで、シーバスのみならず、カゴ投げ青物釣り、オフショア釣りなど活躍する場面は多い
Xファイアには、マグシールドによるローターとボディの隙間の非接触防水や、リニアシャフトと呼ぶ、通常は、ピニオンシャフトの内径部分にメインシャフトを挿入しグリースを介してはいるものの巻き抵抗が避けられなかった2つパーツの支持構造を、メインシャフトとピニオンギアをそれぞれ独立して支持する構造にして、巻き抵抗の大幅な低減に寄与する、シマノでいうインフィニティドライブ、アブガルシアでいうフリクションフリーに相当する機構が採用されています。ちなみに、18カルディアにはこの機構は採用されておらず、従来通りの支持構造となっています。駆動部は、18カルディアはタフデジギアなっているのに対し、XファイアはデジギアⅡと、一世代前のものが使われていますが、戦闘能力は十分です。軽量で剛性も充分なXファイア3012Hは、シーバス釣りのみならず、コマセカゴを遠投して青物を狙うカゴ投げ釣りや、オフショアではバーチカルなジギングやタイラバ、タチウオテンヤといったタフな釣りにもマルチに使い倒せます。
Xファイアか18カルディアか?
これは非常に難しい問題です。Xファイアのベースモデルは先ほども説明した通り、14カルディアです。一方、カルディアは、2018年に、LTコンセプトを採用して18カルディアにモデルチェンジしました。LTコンセプトの採用で、さらに軽く、タフに進化しています。特に理由がなければ18カルディアを選ぶべきかも知れませんが、Xファイアの爽やかなカラーリングは非常に魅力です。ショアジギングメインなら18カルディアを、デザインが気に入った、あるいは他人と被りたくないというアングラーはXファイアが良いかも知れません。
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