軽さ、強さを兼ね備えたハイスペック機はマルチに使い倒せ!
2020年に鮮烈なデビューを遂げたヴァンフォードは、16ストラディック CI4+の後継機種なのですが、後継機種と言うには目覚し過ぎる進化を遂げた、間違いなく2020年のシマノのスピニングリールの中では話題となった機種です。軽さと強さを兼ね備えたバランスの良かった16ストラディック CI4+から、さらに静謐で滑らかな至極の巻き心地と強力な防水機構を身に纏った、上中級者向けのバーサタイルなスピニングリールと言えます。
ヴァンフォードシリーズは、エリアトラウト、ライトソルト向けのC2000S(#1000ボディ)から、ライトショアジギング向けのC5000XG(#4000ボディ)まで、幅広いラインアップが特徴です。エギング機のC3000SDHまでラインアップされており、全14モデル展開となっています。今回は、あらゆる釣りにマルチに使える、ヴァンフォード 2500SHGを紹介します。
16ストラディック CI4+からの劇的進化!
ヴァンフォードが16ストラディック CI4+の後継機種と言うことは先程紹介しましたが、正統派後継機種というよりは、突然変異の大進化といった言葉が相応しいのがヴァンフォードであると言えましょう。具体的にどこが16ストラディック CI4+から進化しているのか、見て行きましょう。
ヴァンフォード 2500SHGのボディ、ローター材質には、シマノ独自開発の軽量で強靭なカーボン繊維強化樹脂であるCI4+が使われています。これは16ストラディック CI4+も同じではありますが、ヴァンフォードでは、防水機能、ギア関連ともに大きく進化しています。防水機能については、16ストラディック CI4+のコアプロテクトから、現時点でシマノの最高峰の非接触防水機能であるXプロテクトにアップグレードされ、ギア関連では、マイクロモジュールギアⅡとサイレントドライブが採用され、上位機種のヴァンキッシュやステラに迫る滑らかで静謐なリーリングフィールを実現しています。
ヴァンフォード 2500SHGの基本スペック
それでは、ヴァンフォード 2500SHGの基本スペックを見て行きましょう。ギア比は6.0、ハンドル1回転あたりの最大巻き上げ量は89cmのハイギアタイプです。ドラグは実用釣力2.5kg、最大釣力4kgの高機能ドラグが搭載されています。ラインキャパは、ナイロン5lbで110m、6lbで95m、PE0.6号で200m、0.8号で150m、1号で120mです。自重は175gです。
ヴァンフォード 2500SHGは、2500番ボディに2500番シャロースプールを組み合わせたスタンダードなハイギアモデルであるため、守備範囲は広く、エリアトラウト、本流トラウト、バスゲーム、ライトソルトゲーム、エギングと、何でもソツなくこなす、まさに「万能」と言えるスピニングリールです。
クイックレスポンスシリーズのベスト・バイ!?
CI4+製マグナムライトローターに、ロングストロークAR-C(All Round-cast)スプールがついたヴァンフォード 2500SHGは、キャスティング性能も充分に備えています。自重175gであり、マイクロモジュールギアとサイレントドライブがもたらすなめらかな巻き心地と、CI4+製の低慣性マグナムライトローターによるクイックな応答性は、極細エステルラインを使ったアジングから、PE1号程度の強めのラインを使う40g程度までのメタルジグをフルキャストするスーバーライトショアジギングまで、あらゆる釣りに不足ないパフォーマンスを発揮してくれるはずです。メーカー希望小売価格31,000円、実勢価格25,000円前後のモデルとしてはベストバイと言えるモデルのひとつでしょう。
ライバル機はダイワ 20ルビアス LT2500-XH!
ヴァンフォード 2500SHGの強力なライバル機はズバリ、ダイワ 20ルビアス LT2500-XHです。ともにそれぞれのメーカーにとって、ステラ、イグジストと言った、汎用スピニングリールのフラッグシップブランドに次ぐ、量販グレードの最上位機種として、フルサイズラインアップしている大変重要なモデルであり、高剛性と軽量化をカタチにした高性能機であることは変わりありません。
大きな違いはボディ構造です。ヴァンフォードは従来型のCI4+製分割ボディですが、ルビアスはZAION製モノコックボディとなっています。この差は大きく、モノコックボディのほうがパーツの分割がないため、基本的な剛性が高いのと、パーツマウントにビスを使う必要がなく、エンジンプレートという大型のフタで外からギアユニットを押さえつけるように固定するため、部品をマウントする空間が広く取れ、結果として大口径のドライブギアが使用できるというメリットがあります。
そういう意味では、ルビアス LT2500-XHの方が、限界剛性はルビアスの方が上でしょう。しかし、2500番サイズの使用環境では、両者の剛性の違いを感じることは殆どないでしょう。マグシールド防水が好きか、Xプロテクト防水が好きか、あるいはデザインで好みの方を選んで問題はありません。
欠点の見当たらないヴァンフォード 2500SHG、アングラーの思い通りに使い倒せる相棒だ!
ヴァンフォード 2500SHGは、汎用スピニングリールとしてすべての特性が高く、特に大きな欠点は見当たりません。アングラーの思うがまま、どんな使い方をしてもハイレベルのパフォーマンスを発揮してくれます。そして、コストパフォーマンスで言えば、シマノのエントリークラスモデルで、2021年のモデルチェンジで衝撃的な進化を遂げた、21アルテグラに匹敵するものがあります。今後も各社が互いに切磋琢磨し、ライバルメーカーを脅かす高コスパ機が続々と市場に投入されることを、お小遣い制のサンデーアングラーとしては大いに期待したいところです。
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