17 サステイン C3000HG

シマノ

17 サステイン C3000HG シマノ「17 サステイン C3000HG」
定価
¥ 36,000
 価格
¥ 22,800
番手
3000
ギア比
6
ドラグ/耐力
9kg
自重
225g
B/R
8/1
巻上長/回転
88cm
ハンドル長
55mm
ナイロン糸巻量
10-180 / 12-150 / 16-100
PE糸巻量
1-400 / 1.5-270 / 2-180

狙えるターゲット魚種

搭載の機能・素材

よく比較されるライバルモデル

シマノ・サステインC3000HGは最新の機能を織り込みながらもメタル感あふれる、オールドファンも納得の高機能スピニングリールだ!

シマノのミドルクラスのスピニングリール・サステインシリーズは、シマノのスピニングリールの新カテゴリーである、「マグナムライトシリーズ(旧・クイックレスポンスシリーズ)」に分類されるモデルです。昨今、スピニングリールの素材として、主役の座を虎視眈々と狙う、強靭かつ軽量なカーボン強化樹脂(シマノで言うCI4+、ダイワで言うZAION、アブガルシアで言うC6カーボン)全盛の時代にありながら、メタルパーツを多用した、オールドファンにも納得のモデルとなっています。最新機能を織り込みながら、フレームやケースなどの材質は金属パーツを使い、精神的な安心を求める保守層にズバリマッチする、サステインシリーズ。コンセプトは「軽さと強さの持続」です。そんなサステインについて、C3000HGにスポットを当て、紹介します。

サステインとは?

リールの名称であるサステインとは、英語で「持続させる、支える」といった意味の「SUSTAIN」という動詞に由来します。現在においては、2015年9月に開催された、国連サミットで採択された「SDGs(Sustainable Developement Goals=持続可能な17の目標とそれを実現させるための169の具体的ターゲット)」という言葉でよく聞くのではないかと思います。サステインという名前で、このスピニングリールの性格、コンセプトが明確に表現されています。

サステイン C3000HGの基本スペック

サステイン C3000HGのスペックを見て行きましょう。ギア比は6.0、ハンドル1回転あたりの最大巻き上げ長さは88cmのハイギアタイプです。最大ドラグ釣力は9kg、ラインキャパは、PE1号-400m、PE1.5号-270m、ナイロン3号-150mです。ベアリングは、耐食性に優れたSA-RBベアリングが8/1個使用され、自重は225gに仕上げられています。ライトジギング、ショアライトジギング、磯ウキフカセ、磯ロックフィッシュゲーム、シーバス、エギングなど、あらゆる釣りに汎用的に使い倒せるスペックだと言えるでしょう。

ハイクラスに採用されているシマノテクノロジーの多くを搭載したハイスペック機

サステイン C3000HGには、最新のシマノテクノロジーが存分に織り込まれています。サステインのサステインたる所以、「タフで鋭敏、いつまでも」のキャッチコピーにウソはありません。特にメカに関わる部品の材質や加工法は上位機種のヴァンキッシュやツインパワーにも引けを取りません。超々ジュラルミンを冷間鍛造で一発で叩き出した超高精度ドライブギア「HAGANEギア」はマシンカットしていないため、金属分子の切れ目がなく、摩耗やカジリなどによる歯こぼれが少ないギアです。

また、それを組み上げたモジュールは「X-SHIP」と呼ばれます。「EXtra-Smooth and High Power」の略で、ドライブギアの大口径化、ピニオンギアとドライブキアの配置最適化、ピニオンギアの支持部にベアリングを2個使用し、最適な噛み合わせによるスムーズな回転が長時間続く機構です。そして、支えるリールの心臓部となる部品ユニットは「HAGANEボディ」と呼ばれる、剛性の高いアルミニウムでケーシングされ、ねじれや撓みのによるパワーロスを極限まで減らしています。

メタル vs エンジニアプラスチック

近年、リールの世界も樹脂化の波が押し寄せています。鉄など金属パーツが当たり前であった時代は終わり、軽くて強い、スーパーエンジニアプラスチックが続々と開発され、さらに「フィラー」と呼ばれる、改質剤の添加により、難燃性が上がったり、紫外線に強くなったり、樹脂に様々な機能を付与できるようになりました。中でも、カーボンを添加して機械強度を高める方法はめざましい進化を遂げており、今では金属よりも軽くて強い材料として、釣具のみならず、自動車や航空機にまで広く使われています。

リールにも樹脂化の波が

ロッドは古くから、カーボンシートを芯材に巻いて焼き、ブランクスとして使ってきましたが、リールにカーボン強化樹脂が使われるようになったのはここ10年と行ったところでしょうか。カーボンフィラーを樹脂に混ぜると、成形性が悪くなるため、あまり複雑なものができなかったのです。そして、カーボンの量を増やせば増やすほど、軽くて強くなるのですが、加工ができなくなるため、高用量カーボン強化樹脂はなかなか使われてきませんでした。しかし近年、金型内の樹脂流動解析や熱解析などの技術の進歩のお陰で、成形加工技術が向上し、リールの複雑なパーツの成形にも、高用量カーボン強化樹脂が使えるようになりました。ダイワ「ZAION」、シマノ「CI4+」、アブガルシア「C6カーボン」などです。これらのカーボン強化樹脂を、ローターからボディからギアボックスにまで使い、圧倒的な軽さを叩き出しているリールがミドルクラスを中心に市場を席巻しています。

サステインはオーソドックスなメタルパーツ満載のリール

それに引き換え、サステインは、メタルパーツ(主にアルミ、ベールはチタン製)をふんだんに使ったオールドスタイルのリールで、樹脂パーツが使われているのはローター(CI4+)とドラグノブ(ナイロン樹脂)のみです。まさに金属の塊と言っても良いでしょう。このため、自重は、C3000HGで225gと、標準的な重さとなっています。2020年、ストラディックCI4+の後継機として衝撃のデビューを果たした、ヴァンフォードC3000XGは、あらゆるパーツをCI4+で固めた結果、180gという、驚異の軽さを実現しています。サステイン C3000HGとの45gの差はあまりにも大きく、価格も似たレンジを争うサステイン、勝ち目はあるのでしょうか?

メタルの塊であることの価値

シマノが開発した、カーボン強化樹脂、CI4+も、マグネシウム合金も、アルミ合金も、ステンレスも、機械強度で言えば、どれも釣りにおいては実用的には充分な実力を持っています。現代は軽さの競争となっていて、素材はスチールからステンレス、アルミ、アルミ合金、マグネシウム合金、チタンと、比重の小さい金属にシフトしてきました。しかしその進化の歴史に軽々と追いつき、追い越さんばかりの勢いで進化しているのがカーボン強化樹脂です。今後ますます、樹脂製の超軽量かつ強靭なリールが出てくるでしょう。しかし、樹脂製のリールに抵抗感を持っている人は一定数います。そういった人は達には「メタルの塊であること」自体に価値を見出しています。金属の冷たく光る質感、金属であることの安心感を味わえる重量感は、樹脂製のリールにはない魅力であることは確かです。

サステイン C3000HGは、新旧スピニングリールの良いところをうまく採り入れた万能リール

サステイン C3000HGは、時代の流れに逆行しているわけではなく、最新の技術やフィロソフィーをうまく採り入れながら、オールドファンのこだわりであるメタルの塊感も充分に活かしたモデルに仕上がっています。具体的には、トレンドのCI4+製の低慣性マグナムライトローターを採用しつつ、他のパーツは全て金属で仕上げています。アジングやメバリングなど、小型タックルを取り回すフィネスゲームは、樹脂系リールの軽さと感度が武器になりますし、ロングキャストが必要なショアジギングやロックフィッシュゲーム、磯場でのショアジギングなどにはサステインのようなメタル系のリールが適しているでしょう。シマノの汎用スピニングリールのフルメタルモデル(ローターも金属製のモデル)は、ステラとツインパワーしかありません。しかし、なくなることはないと思います。サステイン C3000HGは、時代の趨勢のアンチテーゼとして、コアなファンの熱狂的支持を集めるモデルとして生き続けるでしょう。それが「サステイン」たる所以でもありましょう。

この記事を書いた人

ショアおやじのプロフィール写真

初心者歴40余年!
ショアおやじ

 メジナ、クロダイ、アイナメ、カサゴ、メバル、カワハギ、シロギス、イシモチ、カレイ、ハゼ…ベラ、フグ、ヒイラギw、フカセ釣り、投げ釣り、穴釣り、江ノ島周辺(湘南大堤防、表磯、裏磯、片瀬漁港)、福浦岸壁、大磯サーフ、逗子・葉山界隈、城ヶ島(神奈川県)


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