機能もデザインも秀逸!17ソアレ CI4+ C2000SS PGはメバリングに最適なリール
ライトゲームの定番と言えば「メバリング」や「アジング」です。それぞれ2000番台のリール、細めのラインを使用し、繊細ながらも細かい当たりを楽しむことができる人気の釣りです。そのような釣りの中で専用リールを選択する人は多く、「17ソアレ CI4+ C2000SS PG」もメバリングをメインターゲットとした高性能なリールです。中価格帯ながらも機能を詰め込まれたリールに込められたもの、他のリールと比較するとどうなのかを見ていきます。
17ソアレ CI4+ C2000SS PGの基本仕様は?
13ソアレCI4+から4年後にモデルチェンジされた「17ソアレCI4+」。一番大きく変わったところはその見た目ですが、それだけではなく、「NEWマグナムライトローター」、「X-SHIP」、「コアプロテクト」など新たな機能も追加され、さらに高性能なモデルに仕上がりました。基本的な性能はそこまで大きな変化はありませんが、重量は160gと軽く、ハンドル1回転当たりの巻き量も57cmとメバリングやスローのアジングには最適な味付けになっています。前機種からはハンドル長さが40mm⇒35mmになってるほか、ベアリング数は8個⇒9個に増えています。
NEW マグナムライトローター
NEWマグナムライトローターとは、「16 ストラディックCI4+」から採用されたシマノの新たなローター構造です。従来までの左右対称な構造を一から見直し、ラインローラーの軽量化、ベールのチタン化、ローター肉厚の最適配置を行うことで、最大約14%もの回転慣性の低減に成功しています。 スローリトリーブを基本とするメバリングでは、回転性能がアップしたことはそのままプラスに働きます。回転の抵抗が減少するためです。これにより水中の細かな変化や違和感をノイズに邪魔されることなく察知することができるでしょう。また、夜静かなところですることが多い釣りだと思いますので、余計な情報がシャットアウトされることは、釣り中のストレスが減ることにもつながります。
HAGANEギア
HAGANEギアとは、切削ではなく精密冷間鍛造で作られたドライブギアをのことです。金属を切削加工した場合、必ず「バリ」が発生しています。処理により除去はできますが、ギアの表面には加工時の刃物の跡がわずかですが残ってしまいます。反対に精密冷間鍛造は、金属を金型で圧をかけて形作るため、加工の傷は最小限になり、加えて加工精度もよくなります。ギアの切削跡やわずかな寸法誤差はそのまま回転時のノイズとなってアングラーの手元に伝わります。グリスで抑えることはできるでしょうが、ライトゲームのようにわずかなノイズもストレスにつながるような心配をHAGANEギアが少しでも軽減してくれるでしょう。
X-SHIP
X-SHIPは、ドライブギアの大径化、ピニオンとドライブ両ギアの最適配置、ピニオンギアのベアリングによる2点サポートされた構造の事です。頑強なギアの噛み合わせや、両点支持の構造により、負荷に強い軽快なリーリングを保持してくれます。メバリングで不意な大物がかかった際や、根魚に根に潜られそうになった場合でも力強いリーリングが可能です。
CI4+軽量ハンドル
CI4+を採用した新設計ハンドルを搭載しています。軽量化を追求した新たなデザインで、軽い巻きごこちと、自在なリーリングを可能にしています。ハンドル単体での重量は約18gであり、ハンドルデザインは、ヴァンキッシュから採用されたものになります。
大径ドラグノブ
ドラグノブを形状から大径化され、魚とのファイト中の指掛かりが向上しました。これは13ソアレCI4+のドラグノブと見比べてみてもよくわかるのですが、このサイズのリールにしては大きいサイズになりました。これで大物を掛けた際の引きにも慌てることなく、 スムーズなドラグ調整が可能になります。
リジッドサポート ドラグ
メインシャフト、スプール内のベアリング2点でスプールを支持している構造です。これによりスプールのふらつきを抑え、安定した滑らかなドラグ性能を発揮できます。リジッドサポートドラグが搭載されていないリールは、シャフト部のベアリングがカラーであり、スプール内部にはベアリングがありません。ライトゲームはドラグを使用する機会も多いため、専用リールならではの機能と言えます。
比較検討されるリールと比べると?
17月下美人 AIR 2003
メバリング専用リールと言えば、シマノであれば「ソアレ」、ダイワであれば「月下美人」でしょう。「17月下美人 AIR 2003」は月下美人シリーズの中でもミドルエンドの価格帯であり、スペックも似通ったものになっています。しかし、「17ソアレ CI4+ C2000SS PG」と比較すると重量は15g重く、ベアリングの数も1つ少ないです。ハンドル1回転あたりの巻き量も「17ソアレ CI4+ C2000SS PG」の方が短いので、よりデッドスローに巻きたいのならば17ソアレの方が良いかもしれません。
20 ヴァンフォード C2000S
2020年に新発売された「20ヴァンフォード C2000S」は、16ストラディックCI4+の後継機種であり、軽さに重点を置いたミドルエンドリールです。重量も10g軽い150gであり、価格も安いですが、ベアリング数が7個なので、「17ソアレ CI4+ C2000SS PG」よりも2個少なくなっています。何よりもハンドル1回転あたりの巻き量が69cmなので、少しハイギア寄りになっているため、メバリングよりもアジングに向いていると言えるでしょう。
20ルビアス FC LT2000S
LT化したことにより大幅に進化した「20ルビアス」シリーズの「FC LT2000S」は、巻き心地や剛性も大幅に向上しています。重量は150gとこちらも「17ソアレ CI4+ C2000SS PG」よりも10g軽く、最大ドラグ力が5kgなので、ライトゲーム向けのリールとしてはかなり剛性が高いことがわかります。ハンドル長さも45mmと長めなので、使用できる釣りの範囲も広がるでしょう。価格はミドルエンドの中では少し高めなので、予算と相談して決めましょう。
なぜ私が17ソアレ CI4+ C2000SS PGを選んだか?
メバリング専用リールとシマノの信頼性
私は普段シーバスやエギングをする際には専用リールを使用することはほぼないのですが、メバリングなどのライトゲームでは、ほかに使用することもないので、専用リールを使うことが多いです。また、メバリングではスローに巻くことが多く、「17ソアレ CI4+ C2000SS PG」はハンドル1回転あたりの巻き量が57cmとかなりのローギアなので、デッドスローには最適です。個人的にハイギアでゆっくり巻くことよりもローギアで早く巻く方が簡単だと考えているため、スローリトリーブを必要とする釣りではローギアのリールの方が優位性はあると考えています。また、やはり「ギアのシマノ」と言われるだけあり、巻き感の良さはシマノのお家芸です。繊細な釣りではシマノが第一候補に挙がりがちなのです。
生まれ変わった高級感のあるデザイン
正直13ソアレ CI4+までのデザインはあまり好みではありませんでした。オレンジと茶色のボディカラーがあまり好きにはなれず、14月下美人MX2003を使用していました。ただし店頭で試し巻きをしてみた際の感覚は良かったので、モデルチェンジに際してデザインが一新されたことで乗り換えを決めました。ボディはシマノ特有のラメが入っており、スプールのダークネイビーとゴールドの装飾が高級感を出しています。ベールもゴールドなので、見た目もかなりいい感じです。
逆に残念だと思うところは?
同クラスのリールに比べ少し重い
2020年に発売された最新機種の重量は150gあたりになっており、「17ソアレ CI4+ C2000SS PG」と比較すると10g軽くなっています。ライトゲームのロッドも軽量なものが多く、キャスト時やジグヘッドやプラグを操作する際にはリールができるだけ軽い方が有利です。しかしながら160gでも十分軽量なので、実釣に影響があるということはないでしょう。
番手に記載されているアルファベットがわかりにくい
これはシマノリール全般に言えることですが、番手の後に記載されているアルファベットが多く、その意味も多いため、少しわかりにくくなっています。「17ソアレ CI4+ C2000SS PG」例にとるとアルファベットの意味は以下の通りになります。
- SS:スーパーシャロースプール
- PG:パワーギア仕様(パワフルな巻上げが可能で巻上感も軽いが巻上速度は遅い)
このほかにも「HG(ハイギア)」、「XG(エキストラハイギア)」、「M(ミディアムディープスプール)」、「DH(ダブルハンドル)」など様々な種類があるため、自身が検討しているリールにどのような特徴があるのかしっかりと理解しておくことが大切です。
17ソアレ CI4+ C2000SS PGが特にマッチする釣りとは?実釣と使用インプレ
メバリング
やはり専用リールであるため、メバリングへのフィットは完璧です。ローギアかつパワフルな巻き心地でリトリーブ中はもちろん、不意に大物がかかった際にも不安なく釣り上げることができます。また、ドラグ音もカン高く心地よいので、ドラグを出す釣りであるメバリングには最適と言えるでしょう。
アジング
アジングでは基本的に口切れ防止のためにハイギアのリールを使用することが多いですが、どうしてもスローリトリーブが必要になる機会が出てきます。そんな時に、ハイギアでゆっくり巻くよりも、ローギアのリールの方が安定したリーリングが可能です。ただし、通常の早巻きの場合には「17ソアレ CI4+ 2000S HG」の方が使いやすいとは思われるため、使い分けが大事です。
17ソアレ CI4+ C2000SS PGはメバリングに最適な高性能リール
17ソアレ CI4+ C2000SS PGは、ミドルエンドの価格帯でありながら、専用リールとして高性能なメバリングのリールと言えるでしょう。複数魚種に対して幅広い汎用性は少ないかもしれませんが、きっと満足できる性能を有しています。特に現在エントリーモデルを使用している方で、さらにメバリングを極めたいという方におすすめできます。また、普段上位機種を使っている方のサブリールとしても十分機能を満たせるでしょう。
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