ZENONの登場でどうなる? REVO MGX THETA 1000Sの行く末に注目!
2021年5月、いよいよ話題沸騰の最軽量スピニングリール、アブガルシア・ZENONシリーズが発売となります。当然、ZENONは次世代フィネスゲーム用リールとして、アブガルシアのフラッグシップ機となるのですが、これまでフラッグシップ機の座を3年にわたり守って来た、REVO MGXtremeや、2020年に発売された、準フラッグシップ機、REVO MGX THETAなどのハイエンドクラスの製品の行方に注目ですね。いずれにしても、2018年以降、続々とハイクラスの軽量スピニングリールをリリースしているアブガルシアのスピニングリールから目が離せません。今回は、MGX THETAの最小最軽量モデル、1000Sを紹介します。
REVO MGX THETAとは?
REVO MGX THETAは、2016年に発売された、当時のハイエンド機、REVO MGXの後継機として、2020年に発売された、リアルフィネス用超軽量ハイエンドクラスのスピニングリールです。REVOシリーズのハイエンド機は、2018年に発売された、REVO MGXtreme(レボ エムジーエクストリーム)ですが、REVO MGX THETAには、ハイエンド機のMGXtremeにも搭載されていない、アブガルシアのテクノロジー「フリクションフリー」が採用されたプレミアムモデルです。
REVO MGX THETA 1000Sの基本スペック
REVO MGX THETA 1000Sの基本スペックを見てみましょう。ギア比は5.2、ハンドル1回転あたりの最大巻き上げ量は63cmのノーマルギアタイプです。ドラグは最大釣力3kgの2Way DRAGシステムが搭載されています。ドラグを固定している4枚のドラグワッシャーの順番を入れ替えるだけで、最大釣力3kgの「TOUGHモード」と、最大釣力を1.5kgに抑えて、その分調整ピッチを2倍にする「LIGHTモード」に切り替えができる、アブガルシアオリジナルのドラグ機構です。
ラインアップ中最小サイズのREVO MGX THETA 1000Sであれば、ドラグ調整ピッチがより細かい「LIGHTモード」で細かいドラグ調整をする釣りのシーンが多そうです。ラインキャパは、ナイロン3lbで100m、PE0.4号で100mです。自重は165gです。2021年5月発売の、アブガルシアの新フラッグシップモデル「ZENON」1000Sの自重は、同社最軽量の142gで、23gの差があります。
フリクションフリー採用で巻き抵抗が格段に低下!
2020年1月に発売された、REVO MGX THETAから、アブガルシアの新機構「フリクションフリー」が新たに採用されています。これは、シマノでいう「インフィニティドライブ」に相当する機構です。これは、メインシャフトを支える際、従来はピニオンギアの内径部全体で支える機構だったものを、ピニオンギアの両端に噛ませた非常に小さい摺動ブッシュ2個だけで支える機構です。これにより、メインシャフトとピニオンギアの接触面積を大幅に減らし、従来機よりも巻きを大幅に軽くしています。この機構は、これまでのフラッグシップ機、REVO MGXtremeにも搭載されていない機構です。
ボディ、ローター、ハンドルもプレミアム
REVO MGX THETA 1000Sは、リアルフィネス用高性能スピニングリールとして、ボディ剛性、感度、キャスタビリティのすべてが高い次元でまとめられています。ボディは、軽量高剛性マグネシウム合金ワンピースボディ「Feathermetal」を、ローターはマグネシウムに匹敵する強度を誇る、カーボン繊維強化樹脂「C6カーボン」製ローターで、軽量高感度かつ歪みのない剛性も実現しています。そして、REVOシリーズの代名詞とも言うべき、カーボンプリプレグを切り出した「デュラカーボン製ハンドル」が採用されています。
そして、軽量リグを遠くに飛ばす、ロケットラインマネジメントシステムが、ストレスフリーのキャストを約束してくれます。そして、REVO MGX THETAの存在をアピールする赤いベールがライバルの視線を奪います。剛性、感度に加え、アブガルシアのスピリットを象徴するアグレッシブな美しさも具現しています。
エリアトラウト、渓流プラッギング、アジングなど、あらゆるライトゲームに!
REVO MGX THETA 1000Sは、感度の高さと巻きの滑らかさが自慢のライトタックルです。このリールの魅力を最大限味わうためには、2Wayドラグを「LIGHTモード」を常用する釣りがおすすめです。すなわち、1.5〜2lb程度の極細ラインで、2g以下のジグヘッドを投げるアジングやメバリング、エリアトラウトや渓流プラッギングなどのさまざまなライトゲームに好適です。
REVO MGX THETA 1000Sのライバル機となり得るモデルは、シマノ・ソアレ CI4+ C2000SS PGや、ダイワ・月下美人 AIR 2002Hといった、ライトゲーム専用チューン機が該当するでしょう。いずれも感度、巻きの軽さ、ドラグの繊細さ、自重の軽さを究めたモデルであり、軽量リグを使用したライトゲームに使うのであれば、どれを選んでも失敗はないでしょう。デュラカーボンハンドルやフリクションフリーの巻き心地、2Way DRAGの利便性など、アブガルシアオリジナルの機能を味わいたければREVO MGX THETA 1000Sで決まりですし、ドラグ性能重視であれば、フィネスタイプのATD(オートマチックドラグシステム)を搭載した月下美人AIR 2002Hを、軽さ重視ならソアレ CI4+ C2000SS PGを選ぶと良いでしょう。
ZENON発売後のREVO MGX THETA、MGXtremeの動向に注目!
2021年は、アブガルシアの前身であるABU社がスウェーデンで産声をあげてから100周年の節目を迎えます。その記念事業の目玉が、REVOを超える新フラッグシップ機「ZENON」シリーズのリリースです。アブガルシア100年のテクノロジーの集大成と言える、スピニングリール史上最軽量という圧倒的なセールスポイントを持ったプレミアムラインとなります。発売前から話題沸騰のZENONがついにベールを脱ぎました。前評判に違わず、コスパの非常に良いプレミアムモデルでした。
ZENONのデビューにより、REVOシリーズの行方が気になるところではありますが、REVOとZENONが競合し、ユーザーを食い合うようなことはないのではないかと思います。ZENONの価格帯が思いの外安価であったため、REVOのハイエンドクラス、つまり、MGXtremeとMGX THETAの価格がこれまで以上に求めやすくなるのではないかと期待しています。もちろん、REVO MGXtremeやMGX THETAのスペックが不足しているということは全くありません。予算あるいはデザインの好みで決めても問題はありません。
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