REVO ALX THETA 3000SHは、コスパに優れた名機だ!
アブガルシアのフラッグシップライン「REVO」シリーズにあって、圧倒的にコストパフォーマンスの良いモデルであった、2016年発売の「REVO ALX」が、2020年6月、「REVO ALX THETA(レボ・エーエルエックス・シータ)」となり、モデルが一新されました。旧・ALXとの変更点や、ALX THETAに先立ち、2020年1月にデビューした兄貴分の「REVO MGX THETA」との違いなども気になりますね。実勢価格で2万円を切る価格帯で(15,000円~17,000円程度)、アブガルシアのハイエンドブランドとしての機能が味わえる、REVO ALX THETAとはどんなリールなのか? REVO ALX THETA 3000SHにフォーカスを当て、紹介していきます。
旧モデル・REVO ALXが発売された2016年は同社にとって新たな時代の幕開け「スピニング元年」
旧モデルである、16 REVO ALXと今回のREVO ALX THETAは、メーカー希望小売価格がほとんど変わっていないにもかかわらず、大きく進化を遂げています。REVO ALXが発売された2016年以降に開発されたアブガルシアの新テクノロジーがすべて追加された、簡単に言うとそんなイメージです。実は、2016年は、アブガルシアにとって「スピニング元年」と呼ばれる年に当たり、同社のスピニングリールの開発哲学、設計思想が一新され、新たな素材、新たな機構を取り入れ、すなわち、新たな設計基準に基づくスピニングリールが続々と発表されて行く、革新の年でありました。2016年、アブガルシアは、REVO MGX、REVO ALX、REVO PRMと、ハイエンドクラスのスピニングリール続々市場に投入しました。そして、その集大成として、2018年、REVO MGXの派生機種にして、同社スピニングリールの最高級モデルである、REVO MGXtremeが発売されました。
REVO ALX THETA 3000SHの基本スペックと狙える魚種
REVO ALX THETA 3000SHのスペックを見てみましょう。ギア比は6.2、ハンドル1回転あたりの最大巻き上げ量は96cmの高速タイプです。最大ドラグ釣力は5.2kg、ラインキャパはフロロカーボン8lb(2号)で110m、PE1.2号で150mとなっています。後述の新機構「フリクションフリー」の効果により、16 ALXよりも軽く滑らかな回転性能を手に入れ、より繊細なルアーをコントロールが可能になりました。フレッシュウォーターではネコリグやテキサスリグなどを使ったビッグバス、ソルトウォーターでもテキサスリグを使ったロックフィッシュ、あるいスレた春アオリイカのエギングなど、渋い時合に細かいアクションで食い気を誘わなければならないような場面で粘り強い釣りができるでしょう。
16 REVO ALXと20 REVO ALX THETAの違い
16 ALXと20 ALX THETAの具体的な違いを見てみます。まずはボディ材質です。16 ALXは、2000番、3000番は、高強度アルミ鋳造合金(X-craftic)製のギアボックスを、アブガルシアが独自開発した、カーボン繊維強化樹脂である「C6」でステムとインサート成形した、IM-C6(インサートモールドC6)が使われ、4000番、5000番は、高強度アルミ鋳造合金のワンピースボディ(DURA METAL)が使用されています。20 ALX THETA のボディには、全番手DURA METALが採用されています。ローター材質はどちらもC6カーボンです。ハンドル材質は、16 ALXはアルミハンドルであるのに対し、20 ALX THETAは同社最高級のDURA CARBONハンドルとなっています。ドラグ性能については、20 ALX THETAには、ドラグワッシャーの順番を入れ替えることで、TOUGHモードとLIGHTモードの切り替えができる、2way DRAGシステムが備わっています。そして、20 ALX THETAの最大の進化が、「フリクションフリー」機構が追加されていることです。
フリクションフリー機構とは?
フリクションフリー機構とは、20 REVO MGX THETAと、20 REVO ALX THETAにしか搭載されていない新機構です。スプールを固定し、オシレーションを支えるメインシャフトは、通常はピニオンギアの内径部分で支えています。オシレーションの動きをなめらかに行うため、グリスが封入されてはいますが、摩擦が避けられず、リーリングの重さにつながってしまいます。フリクションフリー機構は、この、ピニオンギアの内径部分に隙間を設け、ピニオンギアの前後に小さな摺動ブッシュを内装し、このブッシュだけでシャフトを支えるため、巻き上げが従来構造と比較して約10パーセントほど軽くなる機構です。シマノにおけるインフィニティドライブに相当する機構です。
REVO MGX THETAとREVO ALX THETAの違い
20 ALX THETAは、2020年6月の発売ですが、2020年1月に、上位機種のREVO MGX THETAが発売されています。この2機種、メーカー希望小売価格ベースで約15,000円もの価格差があります。この差は何でしょうか? 一番の違いはボディ材質です。ALX THETAはワンピース DURA METAL(高強度アルミ鋳造合金)であるのに対して、MGX THETAはワンピース FEATHER METAL(マグネシウム合金)になっていて、より軽く、より剛性が高くなっています。このため、自重がかなり異なり、上位機種のMGX THETA 3000SHは188gに対して、ALX THETA 3000SHは230gと、大きな差となっています。また、使用されているベアリング数が異なります。ALX THETAは7/1ベアリングに対し、MGX THETAは10/1ベアリングとなっています。
コスパ重視の汎用リールならALX THETA!
以上、20 REVO ALX THETAについて、旧モデルの16 ALXとの違いや、上位機種の20 MGX THETAとの違いなどについて説明してきましたが、REVO ALX THETA 3000SHは、アブガルシアのハイエンド・REVOシリーズの中では圧倒的なコスパが魅力です。REVOは使ってみたいが価格がネックと思っている人でも手を出しやすいモデルです。それでいて、アブガルシアの最新テクノロジーが満載で、REVOの魅力を堪能できます。自重以外は全く他社のハイラインのリールと遜色ありません。アブガルシアのスピニングリールの隠れた名機と呼べる逸品です。
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