バグアンツ2インチと3インチの違いは?熟練の使い方・使い分け

作成:2019.09.13更新:2021.08.20

目次

バグアンツといえばエコギアから販売されているロックフィッシュ用の甲殻系ワームです。甲殻系ワームの中では目立った特徴が少なく初心者には「本当に釣れるのか?」と思われがちですが、その釣果実績はロックフィッシュ専用ワームの中でもピカイチ。私もロックフィッシュを楽しむ際は必ずバッグに入れているといっても過言ではないワームです。全国の釣り具店で展開されているため、誰でも購入しやすいことから、アイナメなどのロックフィッシュを狙っている方におすすめしたいワームです。

バグアンツは2〜4inchまでの3種類のサイズが展開されています。ここではその3種類のラインナップの中から特に釣果実績の高い2inch・3inchの2種類のサイズの特徴と使い分けについて、ロックフィッシュの聖地北海道・東北のアングラーによる実釣を交えながら紹介します。

バグアンツの取材に協力してもらったアングラー

今回の取材に協力していただいた、日頃からバグアンツをロックフィッシュに取り入れて釣りを楽しんでいるアングラーを紹介します。

毎年50cm超の大型アイナメを釣り上げる「hirokiさん」

室蘭を中心にさまざまなメディアの釣行取材に同行する人気アングラー。ハイシーズンには毎年50cmを超える大型のアイナメを釣り上げており、ロックフィッシュの経験値は北海道でも随一です。釣り以外にも格闘技観戦などを趣味にしており、釣り場でのアングラー同士の交流にも力を入れています。

エコギアのワーム釣り歴が長く考察も鋭い「tomoさん」

東北を中心にアイナメやソイを狙った釣りを展開するアングラー。東北での釣りだけには飽き足らず、北海道のロックフィッシュトーナメントなどにも参加する文字通りロックフィッシュ狂。エコギアのワームでの釣り歴は非常に長くそれぞれのワームに対しての考察などはプロ顔負けです。

高校生でロックフィッシュトーナメント入賞者「菊地さん」

高校生ながらロックフィッシュトーナメントでたくさんの入賞経験がある若手の実力派。噴火湾にある漁港近くに住んでいるため、学校の余暇を利用してロックフィッシュの腕を磨いています。自作でシンカーを製作するなど、その探究心は止まるところを知りません。

バグアンツ2inchワームの特徴

ロックフィッシュワームの中ではやや小さめの印象を持たれがちの2inchモデル。ロックフィッシュのメッカである北海道や東北で実は1番使われている人気サイズです。私もお気に入りカラーを中心に6色以上のバグアンツ2inchを釣りの際は常に持ち歩いており、数多くのロックフィッシュ用ワームの中でも堂々の1軍アイテムです。

サイズと反比例した水押しの力

バグアンツ2inchは小さいサイズ感ながら、パドルやレッグパーツが豊富に搭載されているディテールであるため、サイズに反比例して非常に水押しが強いメリットもあります。そのため60mmという非常に小さいサイズ感ながら、魚に対して大きくアピールできるため、プレッシャーの高い漁港などのフィールドではエースワームとして活躍します。

私もはじめてバグアンツを購入した時はサイズ感の大きい3inchモデルを購入しました。しかし、思ったより釣果が伸びずに悩んでいた時に先輩アングラーからアドバイスをいただき2inchモデルを購入したところ自己ベストを大きく上回る40cm後半のアイナメを釣り上げることができました。

ロックフィッシャーの大定番

北海道や東北のメジャーフィールドであればあるほど、バグアンツ2inchを使うアングラーは非常に多く、様々なロックフィッシャーの定番ワームとしてバグアンツ2inchが使われていることがよくわかります。

写真はバグアンツ2inchで釣れたシマゾイ。北海道でも数が少なく主に太平洋側の漁港などで狙うことができます。アイナメはもちろんさまざまな魚種に効果的な点もバグアンツの魅力の1つです。

大型のロックフィッシュにも効果的

バグアンツ2inchは小さなサイズ感ながらアピール力が非常に高いため、大きなサイズを狙うのではなく数釣り用のワームと思われがちです。しかし、バグアンツ2inchは先述した高い水押し力によって通常のワームに比べて大型のロックフィッシュの口を使わせることもできます。

特にアイナメは他の魚種に比べてもバグアンツ2inchでの大型の釣果実績が非常に高く、私の過去の釣果の中でも40cmを超える大型の個体も数え切れないほどの釣果をあげています。

エキスパートが多くのロックフィッシュをキャッチ

バグアンツ2inchは50cmに迫るアイナメの実績があります。実際に北海道や東北などのロックフィッシュの聖地でも数釣りを楽しむワームとしてではなく、大型が狙えるワームとして非常に重宝されており、多くのアングラーがランカーサイズをキャッチしています。

写真は北海道でも道東の一部海域でしか釣ることのできないウサギアイナメ。バグアンツは北海道の魚種だけではなく、全国のフィールドに生息する様々なロックフィッシュをターゲットに力を発揮します。

バグアンツ3inchワームの特徴

バグアンツの中ではやや大きめのアイテムとして展開されている3inchモデル。2inchに比べるとサイズ感が大きいため水押しの力はもちろん魚に対してのアピール力の高さが2inchを大きく上回ります。大型を狙って釣りたい時に使われる印象が強いため、2inchに比べると活躍するシチュエーションは少ないですが、条件が絞られた時の秘密兵器として何色か用意しておくことをおすすめします。

フォール時間を長くとることができる

バグアンツ3inchはワーム自体のサイズ感が大きいため、2inchに比べるとノーシンカー状態でのフォール時間を長く取ることができるメリットもあります。フォール時間を長くとれるということは、魚に対してワームをゆっくり見せることができるということです。2inchの早い動きで反応しにくい魚にアプローチする際に効果的です。

ワームの大きさを活かしたアピール力

バグアンツ3inchはそのアピール力を活かしたアプローチが可能です。特にストラクチャーが絡む1級ポイントや潮の流れの強いエリアでもワームがアピール力を失いにくく、魚にしっかりとアプローチできます。また大きめのシンカーを組み合わせたセッティングでもワームのシルエットがシンカーに隠れにくく、魚にしっかりとベイトとして視認させることができます。

私は磯などのフィールドではサイズの大きさのメリットを活かせるバグアンツ3inchを積極的に使っています。漁港での釣りはもちろん磯やボートで大型のロックフィッシュが釣れずに悩んでいる方はバグアンツ3inchの大きさを活かしたアピール力が大きな武器になります。

シーズンや時間に合わせた強い釣りにもおすすめ

hirokiさんは1年の中でもっともアイナメの活性が上がる6・7月といったシーズンに合わせた使い方はもちろん、魚の活性が上がりやすい朝夕まずめなどに強い釣りを展開したいシチュエーションでバグアンツ3inchを取り入れた釣りを展開しています。

大きい魚に一撃で食わせる

3inchのサイズ感は大きめの魚を狙って釣りたいシチュエーションでも効果的です。特に捕食性の高い大型の個体を狙って釣る際は2inchよりも食い渋る確率が低く、確実にフッキングできる豪快なバイトを引き出すことが可能です。

大型のロックフィッシュがワームを丸呑みする豪快なバイトは、私の中でロックフィッシュの魅力を最大限に楽しめるポイントといっても過言ではありません。強いバイトが竿先から手元に伝わり力を入れた気持ち良いフッキングを決めてからロッドワークを駆使したファイトを楽しむ。バグアンツ3inchはそんなロックフィッシュの醍醐味を存分に堪能できるワームです。

あえてフォローに使うことも有効

私も室蘭などの北海道のメジャーフィールドで2inchをショートバイトで食い渋るアイナメに対して、3inchをフォローとして使うことで丸呑みする豪快なバイトを引き出したことがあります。フォローとして小さめのバグアンツを入れるのではなく、あえてサイズアップすることでアイナメに口を使わせることもできるのです。

バグアンツ2inchが活躍するシチュエーション

実際にロックフィッシュを狙った際にバグアンツ2inchが活躍したシチュエーションを紹介します。バグアンツ2はその小さめのサイズ感が使う際の大きなポイントの1つです。バグアンツの使い方がイマイチ掴めていない方は具体的なシチュエーションをぜひ参考にしてください。

小さめのシルエットを活かした遠投ゲーム

近年のロックフィッシュシーンで欠かせないロングスピン釣法。9ft以上のロングロッドでワームを遠投し、手付かずのポイントの魚を獲ります。ロングスピン釣法ではワームの遠投性能も大切なポイントの1つ。バグアンツ2inchは他のサイズに比べると空気抵抗を受けにくく1oz以上のシンカーを使ったロングスピン釣法にもぴったりです。

産卵期などの渋いシーズンの食わせ力

バグアンツ2inchはワームのサイズ感が小さいため、ワームを警戒して口を使いにくい魚に対しても非常に効果的です。特に産卵期を迎える秋シーズンのアイナメは大きめのサイズのワームで口を使わせることが非常に難しく、バグアンツ2inchの食わせ力が大きく力を発揮します。

写真は菊地さんが釣り上げた金色の婚姻色が印象的なオスのアイナメ。産卵期の個体の中でも特にバイトを引き出しにくい魚ですが、バグアンツ2inchの食わせ力とベイトタックルのフォールアプローチを活かして釣り上げた貴重な1匹です。産卵期のアイナメはフレッシュな状態ですぐにリリースさせてあげることもロックフィッシュアングラーのマナーです。

フィールドや魚の活性を確認

はじめて訪れるフィールドや魚の活性などを確かめたいシチュエーションではバグアンツ2inchが非常に効果的です。ワームのサイズ感が小さいためフィールドを荒らさずに魚の状況をしっかりと探ることができます。北海道のロックフィッシュシーンでは最初の1投としてバグアンツを投入するアングラーも非常に多く、サーチ系ワームとしても重宝されています。

両手をとった特別チューンは秋のアイナメにおすすめ

バグアンツ2inchは豊富なパーツによる水押し力が大きなメリットの1つです。しかし、秋シーズンにワームへの食いが渋くなるメスのアイナメを釣りたい方にはおすすめのチューンが存在します。それはバグアンツのもっとも大きいパーツである両手のパドルを切り取った腕無しチューンです。アピール力は失うものの、波動を嫌う秋のアイナメに対しては非常に効果的。遠投性能もアップするため食いが渋いシチュエーションでは積極的に使っていただきたいです。

バグアンツ3inchが活躍するシチュエーション

2inchに比べると使うシチュエーションが若干異なる3inch。使う際はサイズアップによるアピール力の高さがポイントです。2inchとの使い分けに悩んでいる方は実際に活躍したシチュエーションを参考に釣りを組み立ててみましょう。

魚の活性が高いときのサーチ

魚の活性が高い状況はバグアンツ3inchの出番といっても過言ではありません。特に大型のロックフィッシュが狙える1級ポイントや春のハイシーズンでは2inchで細かく隅々までチェックするのではなく、バグアンツ3inchを使って大きめの個体に狙いを定めた素早いサーチが効果的です。

小さいのを無視してサイズを狙う

魚の活性が高く大型のロックフィッシュだけを狙って釣るのは難しいシチュエーションでも、バグアンツ3inchは活躍します。バグアンツ2inchはロックフィッシュゲームで外道と言われる小型の魚が丸呑みしてヒットすることも珍しくありません。小さい魚の相手をしていたらテンポよく釣りを組み立てることが難しいため、3inchで大きい個体に絞って釣りを進めるのも釣果アップのポイントです。

バス釣りを応用したベイトフィネス

tomoさんが東北で展開しているロックフィッシュシーンでは珍しいバスフィッシングの釣法を応用した使い方。大きめのサイズ感とバグアンツ3inchの長いフォール時間を活かし、軽めのシンカーと太めのフロロカーボンラインを使ったセッティングでアプローチします。通常のロックフィッシュで使われるスピニングタックルではなく、太いフロロカーボンラインを巻いたベイトタックルを用いることでストラクチャーについた大型のロックフィッシュにも効果的です。アイナメはもちろん捕食するベイトが大きく、スローなアクションに反応しやすいソイ類などにもこのベイトフィネスが非常に有効です。

北海道のロックフィッシュシーンでの釣果実績

北海道や東北ではバグアンツ2inch、3inchを使った様々な釣果実績があがっています。ここではアイナメを中心にロックフィッシュゲームを楽しむアングラーに取材を行い、バグアンツで釣った釣果実績とタックルセッティング、パターンなどについて解説していきます。

14gのリグを使ったもっとも定番のズル引き

バグアンツを使う際にもっとも定番のズル引きでのアプローチ。ロッドを立てながら海底を虫や甲殻類が這うようなイメージでスローに引いてきます。産卵を意識した個体が釣れ始める秋口に効果的な使い方の1つで、写真は菊地さんが噴火湾で秋シーズンが開幕する10月に釣ったアイナメです。バグアンツ2inchの小さく食わせ力のあるアプローチが産卵を意識したナーバスな個体に非常に良く効きます。

タックル情報

ロングスピンを取り入れた遠投

ロングスピンは手付かずのポイントにリグを投げ込める近年のロックフィッシュシーンでは外せないアプローチの1つ。バグアンツ2inchの遠投性能の高さを活かしたアプローチは大型のロックフィッシュに対して大きな効果を発揮します。写真は菊地さんが7月前半の水深のあるディープエリアで釣った良型のアイナメ。潮の流れが効いたエリアでは夏枯れの影響を受けにくく、水温の上がる夏でも大型の魚が狙えます。ディープエリアのボトムを取るための42gテキサスリグとの組み合わせでもアピール力を失いにくい点はバグアンツ2inchの大きな特徴の1つです。

タックル情報

バグアンツ2inchは重さのないシンカーも使える

ここまで紹介した釣り方は重いシンカーを絡めたアプローチが多いですが、バグアンツの使い方は重いリグだけではありません。写真は菊地さんが釣り上げた5g前後のテキサスリグでの1匹。アイナメやソイなどのロックフィッシュが潜みやすいケーソン周りでは軽めのシンカーを使いゆっくりとしたフォールアクションも効果的です。バグアンツは小さめのシルエットながら細かいパーツが多いため、ゆっくりとしたアプローチでもしっかりとアイナメの口を使わせることができます。12月前後のケーソンの穴などで越冬するアイナメを狙う際は非常に効果的なアプローチです。

タックル情報

同じくフォールアクションを絡めたアプローチ。フロロカーボンの14lbを入れることで、さらに魚のフォールスピードを落としてアイナメに対してアプローチします。ベイトフィネスのベイトリールに太いラインをいれたtomoさんお気に入りのセッティングにすることで、テトラポットやハードストラクチャーについた魚を強引に引き剥がせるメリットもあります。5月前半のシーズン開幕当初のストラクチャーにタイトについたアイナメに効果的です。

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産卵が絡んだメスの個体を狙ったアプローチ

今回の取材の中でもっとも大型の54cmのメスのアイナメはhirokiさんの釣果。北海道でも室蘭などの一部の漁港でしか釣れないランカーサイズはバグアンツのソフトシュリンプ3inchを使って狙って釣った1匹です。卵を抱えた産卵期のメスのアイナメは捕食対象を追うことが非常に少なく、大きめのワームを使う際も繊細なアプローチが必須です。リーリングを中心にボトムを離さないことを意識しながら、ゆっくりと引き、時よりストップなどのアクションを取り入れることも効果的です。またバイトが出てからも慌てず違和感を与えないようにテンションを抜きながらスイープ気味に合わせることも大切です。

タックル情報

バグアンツの特徴を理解し2・3inchを適切に使い分ける!

バグアンツでもっとも使われる2種類のワームはそれぞれで使い方やシチュエーションが大きく異なります。ここではそんなバグアンツが活躍するシーンを実釣を交えながら紹介しました。今までバグアンツの使い方に悩んでいる方はもちろん、バグアンツでさらなる釣果アップを目指している方は今回の記事を参考にぜひフィールドで試してください。

マナーを守った大人のルアーフィッシング

漁港などでルアーフィッシングを楽しむ方は必ず安全のためにライフジャケットを着用しましょう。立ち入り禁止区域や漁業の邪魔になるエリアでの釣りは避け、マナーを守った釣りを徹底しましょう。ロックフィッシュが楽しめる貴重なフィールドを減らさないためにも釣り人の小さな心がけは大切です。

この記事を書いた人

北海道フィッシングライター
MORITA

 アイナメ, クロソイ、ロックフィッシュ、北海道

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