穴釣りで釣れない? 釣れない理由はただひとつ。魚がいないところを攻略しているのだ!

作成:2021.07.30更新:2021.08.20

佐賀県を拠点にした大人気釣り番組を制作しているYouTuber集団「釣りよかでしょう。」がブームに火をつけた感がある穴釣りは、古くから「ボウズ逃れの最終手段」的な釣法として、特に子供に人気のメソッドでした。「え? こんなところで釣れるの?」というほど浅い場所でも、魚が隠れられる穴さえあれば魚はそこに身を隠します。そして、その穴に仕掛けを落とせばほぼ100%釣れる意外性と確実性が穴釣り師を虜にします。しかし、むやみに穴を打ったところで、その穴に魚が居なければ釣れようはずもありません。魚が身を隠しやすい理想的な穴と、人間には良さそうに見えるけど魚からすると居心地の良くない穴があります。また、人間の思い込みで、「こんなとこは攻めても無駄だな」と決めつけた場所が魚にとってはパラダイスだったりします。そんな、宝探し的面白さがいっぱいの穴釣りについて、釣れる穴、釣れない穴、釣れない場合の対処法などについて解説します。

穴釣りができる場所

穴釣りができる場所は、主にテトラポッド(波消しブロック)が設置されている一帯、捨て石が積み上げられている傾斜堤一帯、ゴロタ場の浅場など、岩石や様々な人工物が積み重なった際に形成するくぼみや隙間、割れ目など、あらゆる場所が考えられます。魚の気持ちになり、安全に身を隠せる場所であればどこでも穴釣りができます。しかし、魚が、住み着きやすい穴、住み着きにくい穴があるのは事実です。次の項では穴釣りに向いた場所、向かない場所について説明します。

穴釣りに向いている場所/向いていない場所

穴釣りの仕掛けは、ゴロタ場の極浅ポイントにある穴で綿菓子釣法(竿先ごと穴に横方向に突っ込んで、水深20cm程度の場所でも生息できるムラソイを釣る方法)をやる場合を除いて、ほぼ100%、真上から仕掛けを落とします。しかし、真上からまっすぐに仕掛けを落としても、着底する前に仕掛けは途中で止まってしまうことが殆どです。この、仕掛けを真上から落として最初に仕掛けが止まる場所に魚がいることは稀です。このエリアには太陽光が直接入るため、身を隠すには向いていません。魚が身を隠すために都合が良い穴の条件は、「暗く」、「深く」、「狭い」穴です。すなわち、できるだけ光が入りづらい、中が複雑に曲がりくねっているような形状の穴で、奥へ奥へ(下へ下へ)と仕掛けを送り込むことができる、ある程度水深がある穴(ムラソイだけは水深関係なく、片っ端から探ります)で、外敵が入ってこられないような狭い穴が狙い目です。逆に言うと、明るく、浅く、広い穴には、根魚は一般的にはあまり好まず、居付きにくいということになります。

ひとつ、穴釣りのポイント探しで注意したいことがあります。それは、冒頭にも書きましたが、「人間の目線で穴の良し悪しを判定しない」ことです。例えば浅すぎる、深すぎる、広すぎる、狭すぎる、明るすぎる、暗すぎるなど、こんな穴では魚も外敵から身を隠せないだろうと、仕掛けを投入せずにスルーしてしまうのは、チャンスをみすみす逃すことにつながることもあります。穴釣りの対象となる根魚は、縄張り意識が強く、敵から安全に身を隠すことができる良い穴は、縄張り争いに勝利した強い個体が入ります。そして、争いに敗れた個体は次善の穴を探します。しかしそこでも先客が居たり、争いに敗れたりを繰り返し、結局仕方なく、条件の悪い穴に身を隠さざるを得ない、そんな個体がいることもあるのです。

また、一見、条件が悪そうな穴でも、人間が外から見えないところで、周囲の良い穴と繋がっていたりすることも多いので、やはり片っ端から仕掛けを入れて行くことが直接釣果につながって行くのは間違いありません。なお、根魚は四六時中穴の中に隠れてエサを待っているわけではありません。朝夕の間詰め時など、活性の高い時は積極的にエサを求めて泳ぎ回っています。非常によさげな穴に魚がいない場合は、今だけお留守ということもあるのです。

良い穴には次々と新たな魚が住み着く

良い穴の占有権を持っていた魚が釣り上げられた、あるいは敵に襲われて家主が不在になってしまった場合はどうなるのかというと、2~3日もすれば新たな住民が入ります。魚種が変わっても根魚が好む穴は基本的には同じ傾向ですので、いつも釣れる穴というものを覚えておけば、直前に別の釣り人につられてしまったなどがなければ、釣りをするたびに高確率で魚が釣れます。しかし、ひとたび台風などで海が大荒れに荒れた場合、まるで地形が変わってしまうことがあります。こうなると、また新たな縄張り争いが勃発し、数日かけて新たな勢力圏が形成されます。台風などの後はテトラ帯の状況チェック、捨て石の位置などをくまなくチェックすることをおすすめします。

釣れないときの打開策

穴釣りで釣れないという場合は、魚がいない穴を攻めている、あるいは。同じ穴でも、魚がいるエリアまでエサを投入出来ていないと言う場合がほとんどです。そこからさらに仕掛けを左右に転がしてみて、仕掛けが再度落ちるところを探します。出来る限り奥へ、深く、本当の着底を目指しましょう。もっとも、ある程度まで奥に餌を送り込めれば、底まで到達せずとも魚が居れば確実に下から食いついてきます。できるだけ奥に仕掛けを投入するためには、仕掛け、特にシンカー(錘)に気を使うと良いでしょう。必ず中通し式の錘を使います。そして形状は、転がりやすい丸型もしくはナツメ型を使いましょう。一度仕掛けが止まっても、左右に仕掛けを転がすことができるこれらの錘は、転がりながら仕掛けをより穴の深部まで運んでくれます。

それでも釣れない場合、アタリがそれなりにある場合は針を小さくしてみます。鋭いアタリがチョイチョイあるのにまったくフッキングできない場合は、小型のベラ類か、ギンポがエサをつついている場合が多いです。もし、今使っている針がカサゴ針12号など、口の大きい魚向けのものを使っているのであれば、丸セイゴ7号~8号程度に付け替えるだけでフッキングができるかもしれません。ただ、あくまでも良型のカサゴ、メバル、ムラソイ、キジハタ狙いということであれば、敢えて小さな針に付け替えるようなことはせず、別の穴の大物を探るべく、ランガンを繰り返す方が良いでしょう。また、魚がその穴にいない場合もすぐに別の穴を探りましょう。仕掛けをきちんと最奥部まで投入できているにもかかわらず、投入して30秒アタリがなければ、その穴に魚はいないと思って間違いありません。ただし、その穴を捨ててしまうのではなく、時間をおいて再度仕掛けを投入することを忘れてはいけません。30分後には留守中の家主が帰宅しているかもしれませんので。

特殊な穴釣り「綿菓子釣法」について

冒頭で少しだけ触れましたが、プロアングラーの村越正海氏が「綿菓子釣法」と名付けた、特殊な穴釣りがあります。これは、主にゴロタ場で行う釣りなのですが、水深20cmにも満たないような場所でもできる穴釣りです。岩と岩の間、岩の割れ目などのわずかな空間に、ロッドのティップを差し込むように仕掛けを投入し、ロッドを小刻みに振って、水深が浅くても生息できるムラソイや、潮が引いて行く際に取り残されてしまったカサゴやメバルなどを誘います。この釣りは、仕掛けを上から下に投入するのではなく、横方向に仕掛けを投入してロッドを操作する様子が、割り箸に綿菓子を纏わせて行く姿に似ていることから綿菓子釣法と言います。この釣りは、まさに、人間の勝手な思考で「こんなところに魚がいるわけがない」と決めつけて攻め込まないことに対する反面教師的釣法で、目から鱗が落ちるメソッドです。ティップを著しく傷つけてしまったり、最悪は折損の危険もある釣りではありますが、「へぇー、こんな場所にこんな大物が隠れているのか!」と、インパクト抜群です。

穴釣りのタックルで注意したいこと

穴釣りはどこで行うにしても、ひたすら根掛かりとの戦いです。そのため、タックルバランスに少し気を配る必要があります。メインラインおよびハリスに強すぎるものを使用すると、根掛かり時に仕掛けを切って回収することが難しくなります。穴釣りにはもともとあまり強いロッドは使用しないため、メインライン、ハリスが強すぎる場合に根掛かりを無理やり切って外そうとするとロッドを折ってしまいます。そのため、メインラインはフロロカーボンの10lb~12lb程度、ハリスはフロロカーボン4lb~6lb程度が良いでしょう。メインラインとハリスの号数の差を通常より大きめにして、できるだけハリスだけが切れるようにして、高切れを極力防ぎます。市販のブラクリ仕掛けはハリスが組紐になっていて、根掛かりしたらほぼ外すのは不可能です。ブラクリ錘ごとメインラインから切らなければならず、不経済ですので、自作の仕掛けでやりましょう。

穴釣りは、ラインもハリスも常に根ズレしている状態ですので、仕掛けを回収するたびに表面の状態を確認します。フロロカーボンは比較的根ズレに強い素材ではありますが、ささくれが出来ていたりしてラインが傷ついていたら強度が著しく低下しますので、そうなっていたらマメに交換しましょう。また、できる限り仕掛けはシンプルにします。何度も言う通り、仕掛けは奥へ奥へと送り込む必要があるので、たとえば針にアピールを目的としたティンセルとかつけてしまうと仕掛け沈下の邪魔になります。余計なものはつけない方が良いでしょう。イソメでも魚の切り身でも魚肉ソーセージでも、本物のエサをつけていれば、アピール用のギミックは敢えてつける必要はありません。シンカーも大きいものは仕掛けを送り込むことができなくなるため避けます。丸型もしくはナツメ型の中通し錘を使用しますサイズは大きくても5号までにします。波が穏やかな場所であれば2号~3号で充分です。もし、錘のサイズを上げずに仕掛けを重くしたければ、比重が大きいタングステン製シンカーを使うとベストです。特にワームなど、疑似餌を使う場合は、素早くボトムまで送り込み、上下に動かしてアピールしなければならないため、小型・高比重のタングステンシンカーは大変有効です。

スピニングリールはおすすめできません

穴釣りを本格的にやるのなら、リールはスピニングリールはおすすめできません。理由は、ラインに螺旋状の巻き癖が付きやすいためです。穴釣りは、足場が決して良いとは言えない場所から、小さな穴や岩の隙間など、ピンポイントで仕掛けを落とさなければなりません。足場の高い堤防などからおこなう場合は、それこそ「二階から目薬」を落とすようなものです。スピニングリールはそもそもラインをまっすぐ落とすことができない上、ラインが本来出入りする方向に対して90°の角度でラインが巻かれるため、どうしても巻き癖が付きます。巻き癖が強くついたラインは必要以上に左右に暴れ、正確に仕掛けをコントロールすることに向いていません。ラインキャパはあまり必要ありませんが、ベイトリールを用意しましょう。穴釣り専用リールに仕立てるのであれば、キャストもしませんので、遠心ブレーキもマグネットブレーキも必要ありません。片手でクラッチを切り、ゆっくりと仕掛けが出て行くよう調整できるメカニカルブレーキがあれば問題ありません。

最後は結局どれだけたくさん穴を打ったかで決まる!

魚の目線に立って考えることを意識しながら、穴釣りに関する豆知識や注意点を中心に書きましたが、結局魚の考えることは人間にはわかりません。最後はどれだけたくさんの穴に仕掛けを投入したかということに尽きるでしょう。しかし、自分が魚だったら、外敵から身を守るためにはどういう行動を取り、どんな場所に身を隠すかを考えることは非常に大切です。常に魚側の立場で考えれば、人間の目で簡単に見つけられる穴よりも、奥まっていて地上にいる人間からは見えない穴の方が魚の数、サイズともに期待できるであろうことは想像に難くありません。予備の仕掛けをたくさん仕込み、根掛りを恐れず、意外なまでの近いところで良型の根魚が釣れる意外性を存分に楽しみましょう!

この記事を書いた人

初心者歴40余年!
ショアおやじ

 メジナ、クロダイ、アイナメ、カサゴ、メバル、カワハギ、シロギス、イシモチ、カレイ、ハゼ…ベラ、フグ、ヒイラギw、ウキフカセ釣り、投げ釣り、穴釣り、江ノ島周辺(湘南大堤防、表磯、裏磯、片瀬漁港)、福浦岸壁、大磯サーフ、逗子・葉山界隈、城ヶ島(神奈川県)

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